フットボールチャンネル

日本代表 9年前

【現場記者の目】「正義を貫くために」。ミランに問題提起した本田。シリア戦で真の力を示せるか

text by 元川悦子 photo by Getty Images

批判やバッシングは覚悟の上。シリア戦でインパクト残せるか

【現場記者の目】「正義を貫くために」。ミランに問題提起した本田。シリア戦で真の力を示せるか
「チームを引き締めて試合に向かいたい」と語る本田圭佑【写真:Getty Images】

 実際、シリアという相手は難攻不落のチーム。2011年アジアカップ(カタール)での前回対戦では退場者が出る乱戦となり、日本は最後の最後で得た本田のPKで2-1の勝利を収めている。

 4年半も前のことだが、このゲームに出た選手たちの記憶はいまだに濃い様子。本田自身も相手の球際の激しさやしぶとさが脳裏に焼き付いて離れないという。

「何度か対戦をしてきた相手なので、印象としては体が非常に強いと。この暑さの影響等で、ボール際のところで少しでも相手にチャンスを与えるようなことがあったら、ピンチも招くだろうし、チャンスも多く作れなくなる。そこは選手全員が強く認識してることなんで、あえて意識的に発言して、チームを引き締めて試合に向かいたいですね。

(堅守のシリア相手にどう攻めるかは)今までやってきたことの延長線。タテに速いサッカーは相手の守備の形や戦術次第になるけど、それに合わせながら相手の裏を数多く突いていければチャンスは多く作れるんじゃないかと。

 スペースがない場合には、これまでも課題だった引いた相手を崩すということに継続してトライしていきたいと思います」と、彼は相手の出方を見ながら戦い方を変えられる臨機応変さと柔軟性が大一番のポイントになると位置づけているようだ。

 今回のシリア戦でインパクトを残せなければ、イタリアメディアやクラブ関係者からさらなる批判やバッシングを受け、窮地に追い込まれる可能性もある。それを覚悟の上で、彼は本音を語り、オマーンの地へ乗り込んできた。

 このゲームはこうした外野の声を封印できるか否かの大きな分かれ目。本田圭佑の今後のキャリアを左右することになりかねない節目になることも考えられる。

 とにかく今、求められるのは日本のエースとしてゴール、あるいは得点に直結する仕事を見せることだ。数々の修羅場をくぐってきたこの男はピッチ上で明確な答えを出せるはず。本田の一挙手一投足から目が離せない。

【了】

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top