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日本代表 9年前

【現場記者の目】ハリルJ、再認識された「いい距離感」の重要性。勝負を分けたHTの“修正”

text by 元川悦子 photo by Getty Images

長友と本田も語る「いい距離感」の重要性

【現場記者の目】ハリルJ、再認識された「いい距離感」の重要性。勝負を分けたHTの“修正”
本田圭佑も距離感の重要性を語る【写真:Getty Images】

「後半に入る時は、圭佑と元気がうまく中に入って全体的な距離感を短くするっていうのを監督も修正していた。それで後半はすごくいい距離感の中でパス回しができて、多くのチャンスも作っていた。距離感が近いとボールを取られた後もみんながスパッとボールを奪いに行ける。やっぱり日本代表のサッカーはそういう距離感が大事なんだなと改めて学びました」と長友は後半の劇的な改善を前向きに受け止めていた。

 その感想は本田ら多くのメンバーも口にしていたが、相手からガクッと足が止まったシリアだから機能したのも確かだ。これまで2次予選で戦ってきたシンガポールやカンボジア、アフガニスタンのように自陣に引いて人数をかけて守ってくる相手だと、逆に守備の網に引っかかってカウンターを食らうこともあり得る。

 いかにして臨機応変な判断を下しつつ、戦い方を変えていくのか。2014年ブラジルワールドカップ前から指摘されていた課題を今回、日本は改めて突き付けられたと言っても過言ではない。

 本田もこのテーマに真っ向から向き合っていく必要性を吐露していた。

「後半は両サイドの原口と僕が中に絞って当てる的を増やしたことで、『蛍、僕、真司』みたいに前半なかった形で、真司が前を向いて効果的に攻められるようになった。前半は相手も元気だったので、ボールを取られる場面も増えたかもしれないですけど、どうせとられるなら幅を広くして孤立して取られるのではなくて、日本らしい攻撃を仕掛けて、コンパクトにしてすぐにプレッシャーに行ける形を取った方がよかったかなと。

 ただ、シンガポールみたいに引かれると、今度は『幅を取った方がよかった』ということになるんでなかなか難しい。チームとして攻撃パターンが両極端になるんじゃなくて、相手によって前半から戦い方を変えられるならもっと強いチームになれる。そういう反省点はありますね」と。

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