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【データで読む武藤】屈強なドイツで屈指の「デュエル」。ハット生んだハリルの合言葉

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

データが示す武藤の攻守での貢献度

【データで読む武藤】屈強なドイツで屈指の「デュエル」。ハット生んだハリルの合言葉
アウクスブルクとのアウェイ戦に臨んだマインツデータ(Wyscoutより)

 10月31日の日本時間深夜、サッカーニュースの大きなトピックスとなったのが武藤嘉紀だ。

 アウクスブルクとのアウェイ戦に臨んだマインツは、前半30分までに武藤の2ゴールで2-0とリード。しかし、ハーフタイム前にPKを与えて2-1で折り返すと、後半一気の2失点で2-3と逆転を許す。それでもロスタイムに武藤がハットトリックとなるゴールを決めて3-3。勝ち点3は得られなかったものの、土壇場の勝ち点1でドローを引き寄せた。

 この3得点で武藤は今季11試合出場6得点とした。この11試合で6得点という結果は、ブンデスリーガでプレーする日本人選手の最多記録だという。

 日本では主にウインガーとして知られる武藤だが、マインツでは背番号9を背負い、2トップや1トップの違いはあれど出場11試合すべてでセンターFWとしてプレーしている。その中でこの結果は十分に好スタートといえる。

 そして、武藤が得点同様に果敢にチャレンジしているのが「デュエル」だ。

 武藤は、このWWKアレーナでの一戦で90分を通して34回の「デュエル」を仕掛けている。これは、CBのステファン・ベル、右サイドのパブロ・デ・ブラシスの35回に次ぐチーム2位の数。その差わずか1回だ。

 その内訳を見ると、地上でのチャレンジが23回で空中戦が11回。こちらもステファン・ベルの12回に次ぐ2位の数字。178cmとドイツでは小柄な部類となる武藤だが、決して逃げることなく空中戦で勝負を仕掛けているということ。

 より細かく見ていくと、攻撃でのチャレンジが13回、守備では5回。攻撃ではトップ下として並んで先発したユヌス・マリの17回に次ぐ2位。守備ではそのマリや左サイドのハイロの3回を上回る数字を残している。

 さらに、敵陣でのボールリカバリー数では前線の選手ではトップとなる3回を記録。武藤は攻撃・得点だけではなく、前線での守備やチームメイトのカバーリングという点でもチームに貢献している。

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