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仏紙が選んだ重要人物30人。テロ事件、ワイセツテープ問題に揺れるユーロ開催国の「今」

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

ユーロ開催で活躍が期待される、リスク管理のスペシャリスト

 28位のビクトリアーノ・メレロ氏は弁護士で、フランスサッカー連盟のジェネラル・ディレクター補佐に迎えられている。リスク管理のスペシャリストで、昨年11月13日、フランス対ドイツの親善試合中に起きたテロ事件の際には陣頭指揮をとり、パニックを引き起こさずに観衆を安全にスタジアムから退避させることに成功した。今年はユーロ開催を控えている。彼の活躍が一層求められることだろう。

 そして29位のアルモン・ガリード氏は、リヨンの育成コーチだ。彼のもとから、ジュリ、ベンゼマ、ベン・アルファ、ラカゼットら多くのトッププレーヤーが巣立った。欧州5大クラブ中バルセロナに次ぐ育成クラブにランクされているリヨンにおいて、彼こそが尽力者だ。

「誰の目からも優れた選手がいる一方で、見逃さずに観察し続けたことで、持てる密かな才能を開花させてやれる選手がいる」という彼自身の言葉からも、彼が優れた育成者であることがうかがえる。

 今年はユーロ開催で世界の注目を集めるフランス。表に出ている人物や影の功労者、それぞれが己のフィールドで、この国のサッカー界を牽引している。

【了】

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