トップ昇格のバスラックが先発に名を連ねる
試合後に監督トゥヘルが残した「スペクタクルではなかったが、実り多かった」という言葉が全てだった。
2016年3月2日のブンデスリーガ第24節、ボルシア・ドルトムントはダルムシュタットとのアウェイゲームに臨んだ。
ドルトムントがミッドウィークを戦うのは、これで4週連続となる。そして次週からはヨーロッパリーグのトッテナム戦も控えている。平日夜のゲームはまだまだ終わらない。
2月28日のホッフェンハイム戦からは、中2日での試合となり、また中2日の後にはバイエルン・ミュンヘンとの決戦が控えている。こうした状況をトゥヘルは「最も厄介」と述べた。フィジカルとメンタルの両面で、コンディションの維持に努める必要があるからだ。
そこでトゥヘルはダルムシュタット戦の主眼を「何人かのフレッシュな選手にチャンスを与えること」に置いた。タフな連戦を考えれば、14位のダルムシュタットとの試合は、チームが息継ぎをする格好の「チャンス」だったのだ。
トゥヘルは、トップに昇格したばかりのパスラックを先発に抜擢する。病気のビュルキに代わってバイデンフェラー、またラモスやドゥルムが先発に名を連ねた。前節は先発のベンダー、シュメルツァー、香川真司はベンチスタート、そしてロイス、ピシュチェクは大事を取ってベンチ外となっている。
抜本的なローテーションが組まれたドルトムントは、6-2-2で深く守備を敷いたダルムシュタットを、力で押し切ろうとした。両SBのドゥルムとギンターは高い位置を取る。CBのスボティッチとフンメルスの間に、バイグルまたはギュンドアンが入ってビルドアップを担う。そして残りは前線に向かう。創造性や流動性には欠いたが、6バックに対して数で押し切ってしまおう、といったところだ。