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香川真司 8年前

香川、突然の出番激減は2つの理由から。またも訪れた試練と指揮官トゥヘルの思惑

text by 本田千尋 photo by Getty Images

香川に訪れた新たな試練

香川真司
香川は、また1つ試練の時を迎えている【写真:Getty Images】

 3月5日のバイエルン戦では、「戦術的な理由で」香川は後半戦に入ってから2度目のベンチ外となる。またリーグ戦では、アウェイゲームで香川に出番が回ってきたのは、3月20日のアウクスブルク戦になってようやくのことだった。香川がツー・シャドウを務める3-1-4-2は、今のところオプションの1つに過ぎない。新しい役割に対応するだけの時間は、まだ十分ではない。

 つまり、前半戦に比べると、後半戦に入ってから香川の出番が激減した理由は、主に2つある。1つは、新戦力の台頭によって中盤の争いが激しくなったこと。またそれに伴い、トゥヘルがローテーションを組むようになったこと。2つは、前半戦とは違うトップ下というポジションに、香川が対応できていないことだ。

 もちろんこのままで良いはずがなく、香川もなんとか現状を打開しようとしている。20日のアウクスブルク戦では、オフ・ザ・ボールの動きに工夫を凝らし、低い位置に下がって受けようとするなど、ボールの受け方に変化を加えようとした。それでも抜本的な状況は好転せず、62分にライトナーと交代でピッチを退いた。

 香川は、また1つ試練の時を迎えている、と言えるだろう。

「今年に入ってからなかなかうまくいっていないですけど、ここはひとつ、乗り越えどこかなあと思っています」

 バイエルン戦でベンチ外になった際には、トゥヘルが「10番タイプ」と言及したように、他のメンバーとは違う可能性が香川にはある。今季も残りわずかとなったが、リーグ戦だけでなく、DFBポカールやELも佳境に入っていく中で、次に繋がるような何かを示していきたいところだ。

(取材・文:本田千尋)

【了】

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