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Jリーグ 8年前

“打たせる”守備も一つのプラン。被シュート数から見る、Jクラブの守備スタイル【データアナリストの眼力】

シリーズ:データアナリストの眼力 text by 海老沢純一 photo by Getty Images

昨季優勝を争った広島、G大阪は“打たせる守備

【図1】2015年J1リーグにおける各クラブの被シュート数、失点数を図示化したもの。縦軸が失点数(上にいけばいくほど失点が少ない)、横軸が被シュート数(右にいけばいくほど被シュート数が少ない)。十字の線は平均を示す。
【図1】2015年J1リーグにおける各クラブの被シュート数、失点数を図示化したもの。縦軸が失点数(上にいけばいくほど失点が少ない)、横軸が被シュート数(右にいけばいくほど被シュート数が少ない)。十字の線は平均を示す。

 まずJ1。図1は、昨季の「被シュート」を横軸、「失点」を縦軸にして各チームを割り振ったもの。これを見ると、浦和、FC東京、鹿島、横浜FM、湘南、柏、甲府の7チームがともに平均より少ない数字を記録。フランス型の“シュートを打たせない”守備網を築いていた。

 その中でも、やはり上位に食い込んでいる浦和、FC東京、鹿島、横浜FMの4チームがより好成績を残した。

 一方で、チャンピオンシップで優勝を争った広島とG大阪は、被シュート数は平均より多いながらも失点は平均より少ない数を記録。ともに林卓人や東口順昭という日本を代表するGKがいることで、イタリアと同様の“シュートを打たせる”守備を展開していたといえる。

 対して、名古屋、鳥栖、神戸、仙台、松本、山形の6チームは被シュート数も失点数も平均より多い数字となっている。多くのシュートを打たれ、多くの失点を喫しているだけに、守備に大きな課題を残したチームという印象を持たれているはずだ。

 川崎F、新潟、清水に関しては、平均より少ない被シュート数ながら平均以上の失点数を記録した。これは、シュートを打たれないような守備を心がけながら、シュートを打たれれば失点に繋がる悪循環に陥っていたということ。

 この昨季の結果を受けて、今季はどのようなデータが出ているのだろうか。

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