エージェントが語る川崎Fのレナト放出。Jクラブは“爆買い”中国とどう対峙すべきか?【職業:サッカー代理人】

2016年04月14日(Thu)10時20分配信

シリーズ:職業:サッカー代理人
text by 小澤一郎 photo Getty Images
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現地視察で突然獲得リストに上がる選手も

 川崎Fへオファーが届いてから2日ほどで、設定されていた違約金(推定6億円)を広州富力が満額支払う形でレナトを獲得したのは未だ記憶に新しい。稲川氏にはまずブラジルでレナトを探し当てた経緯について聞いた。

「彼はコリチーバからポンチプレッタというクラブにレンタルでいっていて、最初、私は彼を知りませんでした。同ポジションの別の選手を見に行った際、ちょうどレナトが出ていました。トップ下の選手を見るときというのは、グループの中での仕事も大事ですが、個人として何をポテンシャルに持っているかというのがあります。

 彼はセカンドトップのところにいて、どこにいても前をキュッと向ける反転力の鋭さを持っていました。なおかつ、シュートとパスの選択が物凄くはやい。思考としてもディフェンスでボールを取りにいく、パスコースを消しにいくことをよくやっていました。

 それが理に適っているかどうかは別にして、思考としてそういうものを持っていれば、日本に来た時に上手く適応できるだろうというのはありました

 そして日本人が嫌がること、特にブラジル人に対して嫌がることは、エゴの強さとカッカ、カッカする気性なのですが、レナトにはそういうものがなかった。またご存知の通り、いろんなことをやるけどミスが少ない。スピードがあって突破が武器なんだけれども、変な形でボールを失わない。川崎で被るタイプの選手もいなかったし、左利きも当時のチームには少なかった」

 このように、稲川氏のブラジル渡航前にはリストに挙がっていなかった選手ながら、といった複数のチェック項目もパスをして川崎フロンターレへの移籍が決まる。

 稲川氏によれば現地で視察をして突然獲得リストに載り、契約に至るケースも「3分の1程度ある」という。ただし、これは事前にクラブが獲得したいポジションや選手のタイプを絞り込んでいるからこそ起こる突発的事例。稲川氏はJクラブの絞り込みをサポートすべく、強化担当者のブラジル視察に同行する前に、フラットに情報を集めるためのリサーチツアーに必ず出かけているという。

「レナトを連れて来た時にはフロンターレのフロントの人間2名と一緒にブラジルに行きましたが、大体は事前に一回見に行きます。ランダムにどんなポジションにどんな選手がいるのか。ブラジルは国が大きく、全州に4部リーグまでプロがあって、選手は毎年毎年チームを移ってしまうので、一回移籍してしまうとどこにいるのかわからないようなことがあります。

 逆に言うと、行って、見て、レナトのように全然知らなかった選手が突然出てくるということもあるので、とりあえず『眺めに行く』というのが1回目にある。それと全部回れるわけではないので現地のエージェントに会って『今年はどんな選手を持っているの?』と情報を集めます」

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