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日本代表 8年前

アウェイ=得体の知れない恐怖。ハリルJに警鐘を鳴らす経験者たち

9月からW杯最終予選に突入する日本代表。これまでとはレベルの違う戦いになるだけに、より一層準備が大切になってくる。中でも要警戒なのはアウェイでの試合だ。過去にはホームで圧勝した相手にアウェイで敗れたこともある。最終予選経験者は敵地での怖さを揃って口にする。(取材・文:元川悦子)

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「アウェイには独特の怖さがある」(栗原勇蔵)

栗原勇蔵
栗原勇蔵【写真:Getty Images】

 9月1日から幕を開ける2018年ロシアW杯アジア最終予選。日本がオーストラリア、サウジアラビア、UAE、イラク、タイと同じB組に入ったのは、ご存じの通りだ。年内は9月のホーム・UAE戦、アウェイ・タイの2連戦、10月のホーム・イラク戦、アウェイ・オーストラリアの2連戦と11月のホーム・サウジアラビア戦を消化。

 2017年は3月にアウェイ・UAE戦、6月にアウェイ・イラク戦、9月にアウェイ・サウジアラビア戦と三度の中東遠征を強いられる。それだけに、ホームゲームが多く、FIFAランクで日本より下の相手との試合が続く序盤のうちに、可能な限り多くの勝ち点を確保しておくことが予選を有利に進めることになる。その重要性をヴァイッド・ハリルホジッチ監督や選手たちも自覚していることだろう。

 2014年ブラジルW杯アジア最終予選を振り返っても、最初の3連戦を2勝1分の勝ち点7で乗り切ったことで、その後がかなり楽になった。ただ、この序盤3連戦の2戦目に6-0で圧勝したヨルダンに、日本は翌年3月のアウェイ戦で1-2の苦杯を喫した。その事実は再認識すべきだ。

「アウェイでは何が起こるか分からない」

 それは最終予選経験者の共通した見方と言っていい。

「ホームで6-0で勝った相手にアウェイで負ける。そのくらいアウェイには独特な怖さがあるなというのを強く感じました。中東だと環境や施設も日本のようにクリーンじゃない。アウェイは移動も多いし、短期間でコンディションを整えるのも難しい。2次予選で行った北朝鮮(2011年11月)もそうだったけど、やりづらさはすごく感じました」と前回予選にフル帯同した栗原勇蔵(横浜)。

 2010年南アフリカ・2014年ブラジルの二度のW杯予選を戦った駒野友一(FC東京)も「アウェイになれば、相手も日本のホームの時より積極的に戦ってくる。雰囲気も違うし、戦いにくさは相当ありますね」と述懐していた。

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