フットボールチャンネル

Jリーグ 8年前

北谷史孝、山口で戦うプロ3年目の覚悟。「試合に出たい」強い思いが大きな力に

昨季J3に参入してからわずか1年でJ2昇格を果たしたレノファ山口。愚直なまでの攻撃サッカーをする山口に身を投じたのは横浜FMからきたプロ3年目の北谷史孝。J2での武者修行を選択した彼の目には何が見えているのだろうか。(取材・文:舩木渉)

text by 舩木渉 photo by Getty Images

プロ3年目の若者がJ2で定位置をつかむ

レノファ山口
レノファ山口【写真:Getty Images】

 昨年J3参入1年目ながら圧倒的な攻撃力でリーグを席巻し、優勝してJ2昇格を果たしたレノファ山口。今季はエース岸田和人を欠きながら、12試合を終えて6勝を挙げ上位争いに食らいつく。

 J3で見せた細かくパスをつなぎながら丁寧かつスピーディーにゴールを陥れるスタイルは健在で、堂々たるパフォーマンスはJ2で上から2番目の17得点を挙げるなど破壊的な攻撃力を実現している。山口の魅力はやはり愚直なまでの攻撃サッカーだろう。

 一方で守備には課題を残す。14失点は中位以下のクラブと同等か、むしろ多いと言わざるをえない。やはり攻撃陣に注目が集まりがちだが、守備でひとつの才能のつぼみが花開こうともがいている。

 横浜F・マリノスから期限付き移籍で山口に加入したプロ3年目のDF北谷史孝は、昨年までJリーグU-22選抜の一員としてJ3で9試合、横浜FMでナビスコ杯に1試合、合計10試合しか公式戦出場歴がなかった。しかし、山口の上野展裕監督によってJ2開幕から12試合連続で先発起用され、J2第10節のFC岐阜戦でついに初ゴールを記録した。

 興國高校から高卒ルーキーとして横浜FMに加入した北谷だったが、そこにはあまりに高い壁がそびえ立っていた。プロ入りから2年間は中澤佑二や栗原勇蔵といった偉大な先輩たちの隣でトレーニングを積みながらひたすら出番を待つ日々。負傷もあってなかなか出場機会は得られなかった。

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top