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Jリーグ 8年前

磐田・名波監督が断じた「くだらない失点」。芽生えてきた自負。強敵相手に得た収穫と課題

text by 青木務 photo by Getty Images

ミスがらみで生まれたガンバ戦の2失点

ガンバ戦の収穫と課題を口にした宮崎智彦
ガンバ戦の収穫と課題を口にした宮崎智彦【写真:Getty Images】

 この流れのまま突き進みたかったが、13日に行われた第12節・ガンバ大阪戦は何とも言い難い試合となってしまった。前半開始から集中力を保って戦い、欲しかった先制点も小林の直接FKから手にした。その後も小まめなスライドでパスコースに蓋をすることで攻撃を遅らせ、攻め手を一つずつ消していく。G大阪はボールを回すだけでなかなかスイッチが入らないため、ホーム側のゴール裏からは手厳しいブーイングが飛ぶ時間帯もあった。

「ガンバに対して自分たちから仕掛けて、やりたい攻撃をあまりやらせなかったし、向こうを焦らせることができた。相手は嫌がって少し下がったなと思った。自由にボールを動かしながら下がっているというよりは、嫌がっていたように感じた」

 宮崎智彦が言うように、磐田は相手の強力攻撃陣のパワーを半減させていた。この日に向けた練習でも迅速なポジション修正を意識し、その成果を表現することはできた。

 しかし、市立吹田サッカースタジアムで喫した2失点はいずれも磐田のミスが絡んでいる。1-2という点差通り拮抗した展開にも持ち込んだ一方、失点場面でチームは不用意に自陣ゴール前への進攻を相手に許している。

 まず45分。磐田の左サイドに宇佐美貴史が流れてボールの出し入れを担う。要注意人物の一人である彼を自由にさせまいと、磐田は人数をかけて対応した。しかし、遠藤保仁とのパス交換からいとも簡単にカットインを許し、ラストパスを通される。

 この時、PA内にいたアデミウソンとパトリックのマークについていたのは大井健太郎と櫻内渚で、数的同数の状態を強いられた。そして、宇佐美のパスがアデミウソンに出ると、ブラジル人アタッカーは鋭いターンで大井を剥がし、ゴールを陥れた。

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