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Jリーグ 8年前

磐田・名波監督が断じた「くだらない失点」。芽生えてきた自負。強敵相手に得た収穫と課題

text by 青木務 photo by Getty Images

「くだらない失点」をなくせれば勝ち点は得られる

DFの中心である大井健太郎。3バックは各々が責任を感じている
DFの中心である大井健太郎。3バックは各々が責任を感じている【写真:Getty Images】

「くだらない失点」と断じたのは名波監督。厳しい言葉のようにも感じられるが、本来なら防げたからこそ、あえてそう言い放ったと考えるべきだろう。

「ああいう失点の仕方はなくせる。本当にイージーだった。アディショナルタイムで深いところにボールが来たら試合を一旦切るのはセオリーだから。2失点目もカバーリングするのが当たり前だよ。

 確かにあの時だけ(大井)健太郎が真後ろからパトリックにつきに行ってしまった。ちょっと横から弾きに行けば良かったんだけど、それでも周りの奴らは想定の範囲内にしておかないと。数的にはパトリックに対して3人いて、ヤットが入ってきても3対2だったんだから」

 大井、森下、櫻内の3バックは各々が責任を感じている。彼らにすべてを押し付けるのはフェアではないが、失点の原因がはっきりしているのは彼らにとってもチームにとっても決して悪いことではないはず。大事なのは同じ失敗を繰り返さないことだ。

「くだらない失点」をなくすことができれば、こうした不完全燃焼な負け方はせずに済む。もちろん、高くコンパクトなラインを形成し、前から仕掛けて行くという磐田のサッカーの性質上、一歩間違えれば常にピンチが訪れるのはすでに誰もが理解している。だがGWの3連戦のように、それでもポイントを重ねてきたことはチームの力を示していると言っていい。

 この敗戦から学び、次に繋げていかなければならない。集中を保った時の磐田はしぶとさと粘り強さを兼ね備えた、相手にとって非常に厄介なチームなのだから。

(取材・文:青木務)

【了】

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