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日本代表 8年前

新トップ下・清武弘嗣への期待と重責。ハリルJの指揮者となり、本田依存脱却へ

text by 元川悦子 photo by Getty Images

清武の能力を活かすための関係性

「キヨのトップ下を連動させるには、キヨを孤立させない距離感をうまく作ること。それが一番大事」と長友佑都(インテル)も指摘していたが、ブルガリア戦前半の香川・清武・柏木陽介(浦和)のように全員が近い位置で連動したプレーをすることが攻撃を構築する鍵になる。

 原口も「キヨ君が真ん中やるんだとしたら、預けて出てくとかすれば、必ずいいボールが出てくる」と清武との共存イメージを頭に描いている。

 本田との個性の違いも「圭佑君は後ろ向きで受けても(ボールを)取られない。でもそれを僕がやろうとしても体の強さとかが違う。自分はダイレクトではたいて、もう1回出てくるといったスピードを活かしたプレーをしたい。大事なのは、どれだけ前を向けるかだと思う」としっかりと認識し、よりウイング的な仕事を前に押し出そうとしている。

 現日本代表でサイドにトップ下、ボランチと多彩な役割を託されている原口なら、自分が清武を前に出すような黒子の役割も担えるはず。同じドイツ・ブンデスリーガで磨いてきた感性を今回の共演に活かしてくれれば、ポジティブな方向へ行くはずだ。

 一方の宇佐美は、ドリブルでリズムを作りながら強引にフィニッシュへ持って行くタイプ。左からスタートし、中へえぐって相手をかわしてシュートに持ち込むプレーを得意としている。

 その形を出すためにも、清武と重ならないポジションの取り方、幅の使い方を考える必要がある。宇佐美と香川が組む時は中央で渋滞を起こすケースが何度もあったが、清武と同じことを繰り返してはいけない。時には自身がゲームメークを担って、清武を岡崎と近い位置でプレーさせ、得点を奪ってもらうような配慮も求められてくる。

「ウサはもっとFWに近いプレーヤーだと思うし、僕はもっと中に入ってやるタイプ。それを考えながら、トップ下の役割をもっと突き詰めていかないといけない」と清武本人も話していたが、宇佐美と活かし活かされる関係の構築を切望する。今回、左の新たなコンビネーションが生まれれば理想的だ。

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