2列目の充実で本田依存の脱却を
原口・清武・宇佐美の2列目がベストバランスを見出せれば、最終予選に入ってから本田や香川が離脱しても、そこまで深刻にならなくて済む。実際、本田は6月13日に30歳の大台を迎えるため、ケガや疲労のリスクが大きくなる可能性も否定できない。今回の左ひざ裏負傷も、彼にとっては珍しい筋肉系のケガだというから、やはり不安は募る。
近年の日本代表は、攻撃が手詰まりになると「困った時は本田に任せればいい」という形が繰り返されてきたが、その策をとれなくなることも十分にあり得る。ゆえに、この試合で新たな2列目が機能することが肝要だ。
2列目が落ち着けば、前に陣取る岡崎も安心してプレーできるし、ボランチの長谷部誠(フランクフルト)らもサポートしやすい。両サイドバックも彼らに合わせながら動けばいい。こうした前向きの循環が必要だ。
ボスニアの守備陣は高さと強さを併せ持つが、粗さも目立つ。そこを上手く攻略できれば新たな攻撃陣構築の目処が立つ。トップ下で先発濃厚の清武がその中心になるのは間違いない。
清武が指揮者としてタクトをふり、攻撃陣を牽引できれば、新たな軸も生まれる。本田依存からの脱却も見えるだろう。
(取材・文:元川悦子【大阪】)
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