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ハリル監督、敗戦の責任背負うも選手たちは「バカ正直」。ずる賢さも求める

text by 編集部 photo by Dan Orlowitz

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ヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:ダン・オロウィッツ】

【日本 1-2 ボスニア・ヘルツェゴビナ キリンカップ決勝】

 日本代表は7日、キリンカップ決勝でボスニア・ヘルツェゴビナ代表と対戦した。

 先制点を奪いながら逆転負けを喫した日本。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は試合後の会見で「負けたのはしっかり準備できなかったのかなと。私の責任」と話した。

 相手の守備を崩す攻撃が見られたことについては「美しいアクションがあった」と称えた。しかし、指揮官は疑問を感じる部分もあったという。

「一番がっかりしたのは、選手たちが『馬鹿正直』だったこと。コーナーやFKで相手は190cm台の選手が6人いたが、毎回決定機になってしまう。マンツーマンで対応したが、簡単に勝つことはできない」

 高さで劣ることがわかっている中、日本の選手たちは体をぶつけて飛ばせないようにするなど、やるべき工夫をほとんどできていなかった。「最終予選では絶対に許されない」とハリルホジッチ監督が強く言うように、やるべきことを徹底しなければ、アジアといえど足をすくわれることになるだろう。

 会見の終盤にも指揮官は「バカ正直」というフレーズを使っている。「こんなに攻撃したのに一回もFKをもらえなかった」とバイタルエリアでファウルを誘うようなプレーがなかったことにも言及した。

「おかしなことを言っていると思うかもしれないが、そうではない。我々にはなかったのだ。それが『馬鹿正直』だと思う。もっとずる賢くやらなければいけない」

 敵陣の深いエリアでパスワークから崩すシーンは作った。先制点も宇佐美貴史の切れのある突破から生まれたものだ。そうしたプレーは評価すべきだが、指揮官はそれだけでは満足しておらず、選手たちももっと追求していくべきだろう。

 レフェリーを欺くことがいいわけではないが、相手がファウルをしなければ止められないようなアイディアも必要だったのは事実。この日の日本は「バカ正直」にボスニアと戦い、そして敗れた。

(取材:植田路生)

【了】

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