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EURO2016 8年前

フランス代表、救世主はカンテか。優勝目指すホスト国。期待集めるグリーズマンらの攻撃陣

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

多彩な武器を備えた攻撃陣

ヴァラン欠場を受けてフランス代表に復帰したラミ
ヴァラン欠場を受けてフランス代表に復帰したラミ【写真:Getty Images】

 急ごしらえのセンターバックコンビだが、実はコシールニーが2011年11月にA代表デビューした試合でコンビを組んだのはラミだった。そのときは後輩だったコシールニーが今は先輩格となり「ラミはブランクはあるが、冷静さを失うことなく自分のプレーをすればいいと話した。彼のことは信頼している」とメディアの前で相棒を庇う頼もしい存在になっている。

 今のところラミはレ・ブルーの不安材料とされているが、所属クラブではリーダーシップを発揮しているから、場数を踏むごとにプレーの質も上がってゆくことだろう。

 そんな守備面の不安はありつつも、現代表に多大な期待が寄せられているのは、攻撃力の高さだ。この2回のテストマッチでも3点ずつとって6得点。今年に入ってからの4試合でも計13点をマークしている。

 今代表の攻撃陣には、ゴール前に張り出してポストプレーができ、相手マークを引きつけて周囲にスペースを与えてやれるジルーとジニャック、ボールを持ったあと高速スピードで動け、ディフェンスの裏をとれるマルシャルとコマン、スペースを広く使い、作り手にも決め手にもなれ、プレースキックの精度も高いグリーズマンとパイエというそれぞれ異なる武器をもった選手が集まっている。

 よってジルー/ジニャック+マルシャル/コマン+グリーズマン/パイエ、という組み合わせとなるのが当初のプランであったと思うが、CL決勝戦を戦ったグリーズマンの合流が遅れたこともありテストマッチでは2戦ともパイエを先発で使ったところ、直接得点に絡むなど重要な働きをしたことで、彼とグリーズマンを共存させる案を推す声がファンやメディアの間で急上昇している(ジルー+グリーズマン+パイエの3トップは3月のオランダ戦で試している)。

 実際、今年に入っての4試合のうちパイエは3試合で先発出場し、ロシア戦とカメルーン戦で得意の直接FKから得点を決めているほか、その他の4点にも絡んでいる。彼がピッチに立っていた間にフランスが得点した11点のうち6点と、半数以上に絡むほど得点に影響を及ぼしているのだ。

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