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日本代表 8年前

なぜ藤春廣輝だったのか?リオ五輪OA内定、G大阪番記者が見たクラブの内情と“地獄の組”を戦うためのタフさ

text by 下薗昌記 photo by Getty Images

藤春が誇る脅威のスタミナ。本人は暑さも歓迎

 高温多湿の環境でも運動量やインテンシティが落ちないことが必須条件。守備陣に怪我人が続出するU-23日本代表の苦しいチーム事情の中、ガンバ大阪が誇るスピードスターを抜擢したのはある意味で必然でもあった。

 手倉森監督の選択が決して間違いではないことを物語るのが6月11日に行われた湘南戦における藤春のパフォーマンスだ。

 気温32度を超える蒸し暑さの中、前半から再三、左サイドを駆け上がった背番号4は速さと並ぶもう一つの武器であるタフさを見せつけた。細身の体からは想像もつかないが、昨年のチャンピオンシップ準決勝では延長戦を含む120分をフルに戦い抜き、終了間際に圧巻のカウンターから決勝点をゲット。その得点も見事だったが15キロを走り抜いてなお、フルパワーで前線へと駆け上がるタフさは驚異的だった。

 ブラジルで待ち受ける厳しい気象条件にも藤春は「暑い気候だと相手が先にバテるし、僕は好き」とむしろ歓迎気味だ。

 一方でクラブにとっては藤春をOA枠で送り出すのは痛し痒しといったところである。

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