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[INTERVIEW]宇佐美貴史―世界で勝つための武器の磨き方―

text by 西部謙司 photo by Kenji Yasuda

「常に動き回りながら点をとれればベストだと思っています」

――得点にエネルギーを使えるという点では、G大阪のようなポジションのほうが向いているのではないですか?

宇佐美 ポジションは監督が決めることなので、言われたポジションでやるのが仕事です。中央をやりたい気持ちはありますが、サイドでも間違いなくやれますから、ポジションへのこだわりはありません。

――岡崎(慎司)選手のように動き回っても点がとれる選手もいますが。宇佐美さんは動きすぎると点をとるのが難しいタイプではないですか?

宇佐美 (岡崎選手のように)上下動して、裏への飛び出しを繰り返しながら点をとる。そういう選手にならなければいけないと思っています。世界的にさぼりながら点をとっているアタッカーは、もうクリスティアーノ・ロナウドぐらいでしょう。メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールも動きながら点をとっています。

 ロナウドはうまくさぼりながら、クロスが入ってくるときにいいポジションをとって、そこで一気に力を使ってワンタッチで得点を決めています。ロナウドはそういう点のとり方をしますけど、目指しているのはそこではない。常に動き回りながら点をとれればベストだと思っています。

――ただ、得点の大半はペナルティーエリア内ですから、「そこ」へ入っていくのは大事ですよね。

宇佐美 今年はそういう得点を増やしたいと思っています。ボックスに入っていかないと点のとり方が限られてくる。逆に「そこ」へ入っていけば、いくらでもとれる感覚はあります。あまり後方で力を使わず、前でどれだけ力を使えるか。力の使いどころはわかってきています。

 昨年はワンタッチのゴールが少なくて、それが10点しかとれへんかった要因だと思う。ワンタッチ、ツータッチのシンプルなゴールを増やすのが課題だと思いました。今年はスタートからなるべく前でプレーする意識を持っていて、それが上手くいっている。下がらないわけではないですが、前でプレーする回数を多くする。

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