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[INTERVIEW]宇佐美貴史―世界で勝つための武器の磨き方―

text by 西部謙司 photo by Kenji Yasuda

得点を取るための力の使いどころ

――ウズベキスタン戦は見事なゴールでした。

宇佐美 ボールが来たときに、シュートまでは持っていきたいと思っていました。ファーストタッチで右側へ持ち出したときに縦へのコースが見えたのでグッと入っていって、あとはGKと近すぎず遠すぎずの距離を保ちながらシュートしました。

――左足で止めて、右足のアウトで右へ持ち出してDFを外す。このプレーはJリーグでもよく見られます。そんなに速い感じはしないのですが。

宇佐美 速さだけではないですね。相手の体重移動とかを見て逆をとります。駆け引きです。

――ハリルホジッチ監督の印象は?

宇佐美 完璧主義者じゃないですか。強調したいことは繰り返し伝えます。

――「縦に速い攻撃」も強調されていたことですか。

宇佐美 はい。日本代表の現在の選手たちで遅攻は十分できるので、速攻の意識を植え付けるのはいいことだと思います。両方できないと幅が生まれないですからね。監督のやりたいことと、チームとして不足しているところが一致していたので、すごくいいんじゃないかと思います。

――今回のポジションは4-2-3-1の2列目左サイドでした。プレーしてみていかがでしたか。

宇佐美 ずっとやっていたポジションなので違和感はなかったです。中央よりもプレッシャーもない。中央だと前後左右からプレッシャーがかかりますが、サイドだとそこまでではないのでプレッシャーが緩い感じがしました。まあ、90分間プレーしたわけではないので、運動量がどうかとかはわからないですけど。

――G大阪では2トップでプレーしていて、前線で得点にエネルギーを使うことができる。サイドハーフはもっと守備で下がるケースもある。4-2-3-1ならトップ下のほうがG大阪のポジションに近いと思いますが、監督からトップ下での起用について話はありましたか。

宇佐美 いえ、なかったですね。

――代表でのプレーのイメージは?

宇佐美 G大阪で中央でやっていることをそのまま左サイドでやるイメージです。縦に仕掛けてクロスか、中へ入ってシュートかというプレーではないです。僕はプレーの幅があるほうなので、それを生かしながら一辺倒にならないように心掛けてプレーしようと思っています。

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