中島翔哉の帰還。J3でのプレー、長期離脱を経て、帰ってきたU-23アジアMVP

2016年06月30日(Thu)11時31分配信

text by 藤江直人 photo Getty Images
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FC東京U-23の選手としてJ3でもプレー

中島翔哉(右)は安間貴義監督(左)が率いるFC東京U-23でプレーした
中島翔哉(右)は安間貴義監督(左)が率いるFC東京U-23でプレーした【写真:Getty Images】

 大宮アルディージャと対峙した2月27日のJ1開幕戦ではベンチ入りを果たし、後半23分からピッチに立った。一転して第2節以降は、リザーブにすら入れない状況が続いた。

「まあ……こうなるとは思っていなかったので」

 SC相模原に0-1で苦杯をなめた試合後。短い言葉に忸怩たる思いを込めた中島は、自らに言い聞かせるようにこう紡いでいる。

「みんながそれ(トップチームでのプレー)を望んでいるはずなので、納得はしていないです。自分は努力を続けて、もっと上手くなるしかないと思っています」

 今シーズンのJ3には、ガンバ大阪とセレッソ大阪もU-23チームを参戦させている。しかし、関西の2チームが別編成でU-23チームを位置づけているのに対し、FC東京は全員が同じ練習を消化し、週末の公式戦を前にしてトップとU-23とに分けられる。

 FC東京はACLも並行して戦った。必然的にU-23チームは人数が足りなくなることが多く、チーム側はユースに所属したままトップチームの公式戦に出場できる2種登録選手を数多く起用している。

 FC東京U-23における中島の主戦場は左MF。チームを指揮し、トップチームではコーチを務める安間貴義監督は、たとえばSC相模原戦後には中島に一定の評価を与えている。

「正直、(中島)翔哉のもとになかなかボールが入りませんでした。我慢を強いられる状況で、相手の右サイドバックに背後を取られないようにポジションを正確に取り続けていたし、ウチの左サイドバックに入ったユースの子を気遣いながら指示を出して、パスコースによく顔を出していた」

 公式戦である以上は、何よりもまず勝利が求められる。トップチーム入りへアピールしたいからと、中島が自己満足を求めて独りよがりなプレーを続ければどうなるのか。21歳の自分よりも若く、経験も不足している選手が多いFC東京U-23は必然的に瓦解する。

 はやる気持ちを封印して、チームが勝つためのプレーに徹し続けた中島の姿に、安間監督も「すごく地味な作業をしていたし、内側の部分でタフな試合をしていた」と目を細めていた。

 6大会連続の五輪切符獲得に「23歳以下のアジア王者」という肩書も添えた、今年1月のU-23アジア選手権を戦い抜いたことが、皮肉にも中島がFC東京のトップチームの構想から外れる遠因となった。

 この大会でMVPを獲得し、背番号「10」をさらに輝かせた中島が、城福浩新監督に率いられるトップチームへ初めて合流したのが2月上旬。おりしもACLのプレーオフを同9日に控えていただけに、新チームの骨格はほぼできあがっていた。

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