中島翔哉の帰還。J3でのプレー、長期離脱を経て、帰ってきたU-23アジアMVP

2016年06月30日(Thu)11時31分配信

text by 藤江直人 photo Getty Images
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「翔哉君に点を取らせたかった」

 U-23アジア選手権では、延長戦にもつれ込んだU-23イラン代表との準々決勝であげた2ゴールが注目される。負けたら終わりの決勝トーナメント初戦で、誰よりもまばゆい輝きを放った。

 しかし、中島がMVPを獲得したもうひとつの理由は攻守の切り替えの速さにあったと思っている。特に攻撃から守備に転じた刹那に、相手のボールホルダーへ真っ先に食い下がっている驚異的な運動量には何度も驚かされた。

 U-23日本代表のチームメイトたちも、歯を食いしばる中島の姿に何度も勇気づけられ、リオ切符を手にすることができたとわかっているからこそ、一緒に夢舞台に立ちたいと望んでいるのだろう。

 たとえば、同点に追いついた前半37分の場面。矢島のスルーパスに抜け出し、相手GKと1対1になった大島は、左側をフォローしてきた中島と一瞬だけ目を合わせている。

「あの人(大島)はすごく優しい人なので。パスをくれる前に目が合ったので、出してくれるのかなと思って。すごくありがたいですね」

 大島が横パスを出した時点で、中島のゴールを阻む者は誰もいなかった。丁寧に押し込もうとする意識が強すぎたのか。左足のインサイドで当てたシュートは右ポストをかすめる“落ち”までついたが、試合後には「翔哉君に点を取らせたかった」と胸中を明かした大島へ、中島も感謝の思いを忘れなかった。

「サッカーはチームでやるスポーツなので、そういう仲間は自分にとってもすごく大切ですし、すごくうれしい。自分もそう思えるような人間になりたいです」

 前半アディショナルには、右サイドでFW浅野拓磨(サンフレッチェ広島)がボールを奪い、キープする間にゴール中央へ詰めていった。

「自分でシュートまでいきたかったんですけど、タッチがあまりよくなかったので。でも、そこで慌てることなくなかを確認したら翔哉と、その後ろには(矢島)慎也君も走ってきていたので」

 浅野の左足から放たれたクロスが描く軌道と、オフサイドぎりぎりで飛び込んできた中島の頭が鮮やかに一致。相手GKが一歩も動けない一撃に、今度は浅野への感謝の思いを口にする。

「(小柄の)自分がヘディングで決められるボールなんて、滅多にないので。すごくいいボールだった」

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