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EURO2016 8年前

ウェールズ代表の「覚醒」を支える苦闘の歴史。英雄の死を乗り越えた“ドラゴンズ”の野望【東本貢司の眼識】

シリーズ:東本貢司の眼識 text by 東本貢司 photo by Getty Images

国際舞台の活躍は皆無ながら往年の名選手も誕生

ジョン・チャールズ
かつてユヴェントスでもプレーしたジョン・チャールズ【写真:Getty Images】

 国際舞台でも無論、ウェールズのクラブの目立った活躍は皆無だが、イングランドのFAカップに当たるウェルシュカップの創設によって1960年以降ヨーロッパカップにチームを送り込んできた。

 また1992/93シーズンからコニカがスポンサーについて再出発した『コニカリーグ・オブ・ウェールズ』からもヨーロッパカップ出場権が与えられ、中でもコニカリーグ優勝の常連「コームブラン・タウン」はそこそこの実績を残している。

 代表チームはアイルランドと同じく、イングランドのトップリーグで活躍しているプレーヤーを中心に構成されるのが通例。ワールドカップ本大会出場は1958年スウェーデン大会のただ一度だが、このときは大健闘して準々決勝に進出した。

 しかも後に優勝するブラジルを相手に0-1の惜敗。その1点はこの大会で世界デビューしたペレ17歳の、記念すべきワールドカップ初得点だった。

 当時の大黒柱で当代きっての世界的スター、ジョン・チャールズは、後にイタリアの名門ユヴェントスでもプレーした。他に、アイヴァー・オールチャーチ、クリフ・ジョーンズ、ジャック・ケルジーの名前も忘れられない。

 また、第二次大戦直後から活躍したストライカー、トレヴァー・フォードは、代表38試合で通算33得点をマークしている。この記録は1990年にイアン・ラッシュが更新するまで破られることはなかった。

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