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日本代表 8年前

【英国人の視点/リオ五輪サッカー】手倉森Jが不安定だった理由。不可解な人選と4-4-2放棄、チームの核にも甘さ

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

試合の主導権を握る時間帯が少なかった要因とは?

遠藤航
キャプテンの遠藤航の隣に配置する選手をコロコロと入れ替え続けた【写真:Getty Images】

 予選を突破した際の4-4-2の布陣を放棄し、キャプテンの遠藤航の隣に配置する選手をコロコロと入れ替え続けた。その遠藤自身も、今季のレッズで好プレーを見せてきた最終ラインでプレーする方が適していただろう。

 大島僚太、矢島慎也、原川力はいずれも良い選手ではあるが、ボール奪取を最大の持ち味とするような選手だとは言えない。つまりチームの核となる部分に甘さがあり、相手は常にそこを突くことができたということだ。

 日本が攻撃に出た時には――そういう場面はスウェーデン戦以前にはそれほど多かったわけではないし、最終戦で4-4-2に戻して1-0の勝利を収めても遅すぎたのだが――良い戦いを見せられていたし、攻撃のオプションも豊富だった。

 エリア内に抜け目なく飛び込む興梠のプレーや、浅野拓磨のスピードと鋭いシュート、遠距離からでもゴールを捉える中島翔哉のミドルなどがそうだ。

 鈴木武蔵と南野拓実も前線で能力を垣間見せた。だが3試合を通して全体的に、日本はファイナルサードで意図を持ってプレーする時間を十分に持てたわけではなかった。もっと試合の主導権を握る時間帯を増やす必要があったが、結局のところそれが不可能だったのは守備の安定感を欠いていたためだ。

(文:ショーン・キャロル)

【了】

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