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Jリーグ 8年前

小林祐希、念願の欧州移籍。「人に恵まれた」磐田での成長。新天地での「恩返し」へ

text by 青木務 photo by Getty Images

日本代表への選出。磐田で痛感した責任

2016年6月には日本代表に選出され、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦に途中出場した
2016年6月には日本代表に選出され、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦に途中出場した【写真:Getty Images】

 チームのことを最優先に考え、そのために自身の持てる力を惜しみなく発揮する。心とプレーの変化を後押ししたのは、彼を支える多くの人々の存在だ。「人に恵まれた」と言って小林は相好を崩す。

「チームメイト、スタッフもそうだけど、家族や友人、先輩。俺に関わっている人たちに恵まれた年だった。知り合いもたくさんできた。そういう人たちと話をしたりすることで、サッカーとはまた違った世界が見えてきたりする。サッカーをたまには忘れることも大事だと思うので、そういうのをさせてくれた仲間がいっぱいいたのですごく助けられたし、サッカー以上に得たものが多かった。大事なものがいっぱいできた。今年はそういう人たちに恩返ししていく年になればいいなと。俺はサッカーしかできないので、サッカーで返していければ」

 今季の小林の活躍は、磐田にとって非常に心強いものだった。チームの中心選手として攻撃の全権を担い、24試合に出場し5ゴールを記録。数字だけ見れば決して飛び抜けているわけではないが、小林がリズムを作り出し、彼のビジョンを基にボールが動いた。特に1stステージ中盤の働きぶりには目を見張るものがあり、日本代表選出も必然といえた。

 しかし、2ndステージに入ると一転して磐田は勝利から見放される。小林のパフォーマンスも良好とは言えず、違いを見せることができない。仕事を果たせぬまま交代を命じられ、唇を噛んだこともあった。「なかなか勝ち星が取れないのは、全部俺の責任だと思っている」と、8戦未勝利の理由を自らに求めた。

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