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Jリーグ 8年前

磐田、待望の2nd初勝利。課題残るも、流れ変えうる勝点3。光明はトップ下・川辺駿

text by 青木務 photo by Getty Images

失点の理由を突き詰める必要がある

中村太亮
磐田の左ウィングバックを務める中村太亮【写真:Getty Images】

 また、16分に福岡の城後寿に決められたシーン。ピッチ中央付近でパパドプーロスが果敢に相手の1次攻撃を潰したものの、こぼれ球を拾った福岡が左サイドへ展開し、そのまま前進する。城後は自陣右サイドの深いところから、少しずつ磐田ゴール前へとスピードアップしていった。

 最初は中村太亮がしっかり監視していた。しかし、フィニッシュの場面で福岡のバンディエラは完全にフリーだった。クロスを上げた為田に対して、太田吉彰が自由を与えすぎた面もあるが、中村太が城後をマークし続けられなかったのも問題だろう。

 ウィングバックが2人とも下がってしまうのは理想ではないかもしれないが、マークすべき相手を野放しにしていては失点を避けることはできない。ファーサイドがフリーということはスライドが遅れている、もしくはマークを受け渡すコミュニケーションが不足しているということ。しかし、この場面では森下俊がニアサイドをケアしており、絞った藤田義明は金森健志を見ていた。大外から走りこんだ城後には中村太がついているべきだった。

 パパドプーロスが潰した後のこぼれを磐田が拾えていれば、太田が為田に簡単にクロスを上げさせなければ、ファーに流れる前にクリアできていれば、中村太が城後を離さなければ――。タレラバはいくらでも浮かんでくるが、失点には必ず理由がある。そこを突き詰める必要があるのではないか。

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