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マンチェスターダービーに潜む“危険性”。似た者同士のモウリーニョとペップ、腐れ縁が導いた「監督対決」

text by 山中忍 photo by Getty Images

ダービーに潜む危険性。互いに初黒星なら大きな痛手に

モウリーニョ
マンチェスター・ユナイテッドのジョゼ・モウリーニョ監督【写真:Getty Images】

 とはいえ両監督は、モウリーニョが助監督、グアルディオラが生え抜き選手としてバルセロナに在籍していた1990年代半ばからの腐れ縁だ。その間柄は、バルセロ指揮官の地位を賭けた争いにグアルディオラが勝利した2008年を機に、熾烈なライバル関係へと変わって久しい。

 その両者がプレミアでの初対決を意識しないはずはない。揃って開幕3連勝を記録しているが、それは因縁の対決で今季初めてポイントを落とす危険性を意味してもいる。

 モウリーニョにとっては、ことさら危険だ。ダービーでの通算成績も71勝49敗51分と大きく勝ち越し、ファンが伝統的な格上を意識しているユナイテッドの新監督にとって、ホームでシティにシーズン初黒星を喫する展開は大きな痛手。グアルディオラのシティに初対決で敗れたとなれば傷は更に深い。

 前節までは、メディアで「早くもユナイテッドに強豪の雰囲気を取り戻させた」と評されていたが、ダービーを前に対グアルディオラの劣勢に関する報道が増えた。神経戦で相手を辟易とさせることはできたが、ピッチ上の成果では優位に立てていないと指摘されることになった。

 加えて、攻めのグアルディオラに対して守りのモウリーニョという志向性の違いは、以前から明と暗どころか善と悪のようなイメージさえ持たれている。英国風に言えば、グアルディオラがジェームズ・ボンドで、モウリーニョがヴィラン(敵役)。

 今回の一騎打ち前にも、過去の対決で飛び交ったレッドカード計10枚のうち9枚が、モウリーニョ軍に提示されている事実が報じられている。

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