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香川真司 8年前

香川は未だ“ベテラン”にあらず。新生ドルトムントの鍵「速ぇやつら」と共存できるか

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「ベテランという域ではない(笑)」

香川真司
若い選手から刺激を受けていると語る香川真司【写真:Getty Images】

 サイドを主戦場とする新星(デンベレ、モア、プリシッチ)たちを、香川は「サイドの若いやつら」とも呼んだ。それでは若い力を前に、香川は自身がベテランになってきたと感じるところはあるのだろうか。

「ベテランという域ではないと思うんですけど(笑)」

 香川は、はにかんで否定した。

「ただ、ポテンシャルがすごく高い18、19歳の選手がいるとういのは、すごく勉強になる。ただ、彼らもキャリアが始まったばっかりだし、自分も18、19歳のときはあったわけですから、ここから10年、15年って活躍し続けるほうが大変で、そういう意味では彼らがどうなっていくのかというのは非常に楽しみですし、みんな良い意味でプロフェッショナルの選手が多いので、刺激のあるトレーニングをやっています」

 日々の練習の中で香川が「若いやつら」のプロフェッショナリズムから刺激を受けているのは事実だ。若き力を待ち受ける、来たるべき戦いにも胸踊る。ただし、自分が18、19歳だった頃を振り返っても、生きるか死ぬかのフットボールの世界で、キャリアを積み上げていくのは簡単ではない。そして何より自分自身が、何かを築いている途上にある。

 ベテランと呼ばれるのは、何か決定的な仕事を成し遂げてから。そんなところだろうか。

(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

【了】

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