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代表 8年前

試合映像も“タグ付け”して“シェア”【サッカーデータ革命最前線―02】

シリーズ:サッカーデータ革命最前線 text by 本田千尋 photo by Prozone , Getty Images

データ分析でスカウトは不要になる?

 普段からスマホをいじっている若い選手は、こうしたやり方に抵抗はないだろう。しかし、年配の監督やコーチは、全員でミーティングをすればそれで良しとするかもしれない。スマホを使う人がいれば、中には、ガラケーを使う人もいる。それは、時代遅れとかそういったことではなく、あくまで好みの問題だ。

「今まで当たり前だと思っていたコミュニケーションの仕方の中に、また1つ違った方法もありますよ、といったアプローチの1つとして理解して頂ければと思います」

 なお、こうしたアプリは現在、世界の中で分析にお金を掛けているところであれば、使用しているのだという。ドイツ国内に限ったことではない。

「世界の中で資金に余裕があって分析に投資している人たち、なのでプレミアリーグなどは、こういったところまで手を回していると思いますね」

 そして、いよいよ最後の段階に入る。「【4】集まったデータを、データベース化する」。

 基本的には、分析の段階が【1】に始まって【3】まで来たら、もう一度【1】に戻る。それを何周かすると、データの量がたまってくる。そのたまったデータを、データベース化するのだ。

「ためたデータを次に活かせるようにするのが、データベース化なのかな、と思うんです。U-15ドイツ代表を例に取れば、新任の監督が、去年の最初の合宿はどんなトレーニングをしたのか、見ることができる。

 どこかのクラブに対しては、過去10年間所属したCBのデータが集れば、そのデータを元に次の獲得候補を提案する、スカウティングレポートができるようになる」

 だからと言って、データベースが“スカウトの目”に取って代わる、というわけではない。

「もちろん今でも、ベテランのスカウトの方の目は絶対に必要なんですよ。その人の直感や経験則は、やはり必要ですから。それに加えて、データという違ったアプローチがあれば、切磋琢磨というか、よりハイブリッドなものができてくるんじゃないか。それが、この分析の4つのステップです」

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