「正しいステップなら、3歩以内で止められる」。守護神大国ドイツのユーロGK分析

ノイアーを筆頭に優秀なGKを数多く輩出しているドイツ。この国はいかにして守護神大国であり続けているのだろうか。毎年7月にドイツでは国際コーチ会議が開催されており、今年は「ユーロにおけるGK分析」の講義が行われた。GKに求められる4項目とともに、その講義内容を紹介する。(取材・文:中野吉之伴【ドイツ】)

2016年09月27日(Tue)10時19分配信

text by 中野吉之伴 photo Getty Images
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正しいプレーでも失点を防げなければ意味がない

ドイツ代表不動の守護神、マヌエル・ノイアー
ドイツ代表不動の守護神、マヌエル・ノイアー【写真:Getty Images】

 毎年7月にドイツプロコーチ連盟(BDFL)とドイツサッカー協会(DFB)共催で国際コーチ会議が行われる。3日間様々なテーマでいくつもの講義がある中で、今年はDFB専任GKコーチのイェルク・ダニエルとトーマス・ロイによる「ユーロにおけるGK分析」というテーマの講義も行われた。

 今回は彼らの話からGKというポジションについての考察を紹介したいと思う。講義ではユーロで見られたミスと好プレーが映像で紹介された。様々なシーンがあったが、その中から今回はGKに求められる要素として4つの項目を取り上げたい。

1.ダイナミックさ

 技術的にはすべて正しいプレーであっても、それで失点を防げなければ意味がない。最初に紹介されたのがユーロ開幕戦、フランス対ルーマニアでの先制ゴールの場面。右サイドからパイエがクロスを上げ、ジルーがGKパンティリモンと競り合いながらヘディングで決めたシーンだ。

 ダニエルは「GKの立場からすれば、まずジルーのこの当たりはファウルと判定して欲しいというのはある。キャッチしようとする腕に当たっているからだ。またこのパンティリモンのプレーを技術的な面からみれば、飛び上がるタイミング、空中での姿勢の取り方、ボールへの腕の動き、すべて正しい動作だ。だが、ダイナミックさが足りない。絶対、相手にシュートを許さない! という気迫に欠ける点を指摘せざるをえない。GKは相手に『空中戦は厳しいな』と気落ちさせるくらいの存在感が必要なのだ」と説明していた。

 試合となれば自分とボールだけの関係だけではない。ペナルティエリア内には相手もいるし、味方だっている。常にベストの状態でボールに向かえるわけではない。だからこそ、いつ飛び出すべきかの判断力を養うことが重要だし、飛び出した以上は何が何でもボールを確実にキャッチするか、遠くまで弾き飛ばさなければならない。

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