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Jリーグ 8年前

齋藤学が不在のマリノス。ルヴァン杯準決勝で問われるマルティノスの真価

今季、抜群の存在感を示してきた齋藤学が日本代表にも追加招集され、横浜F・マリノスは背番号11を欠いてガンバ大阪とのルヴァン杯準決勝に臨む。左サイドのアタッカーが不在という状況で、オランダの世代別代表歴を持つマルティノスの真価が問われる時がきた。(取材・文:舩木渉)

text by 舩木渉

「僕はスタイルを変えた」

マルティノス
マルティノス【写真:Getty Images】

 いまJリーグで最も止めるのが難しいのは誰か? と聞かれたらどう答えるだろうか。おそらく多くの人は「齋藤学」と言うだろう。たしかに今季は絶好調で、細かいステップを踏みながら相手を翻弄する“ハマのメッシ”は圧倒的だ。

 今月1日に行われた明治安田生命J1リーグ2ndステージ第13節ヴァンフォーレ甲府戦では、90分間の中で2ゴール2アシストという離れ業をやってのけた。日本代表への追加招集が決まるなど好調ぶりは誰の目にも明らかだが、齋藤が左サイドで活躍できるのは逆サイドのおかげでもある。

 横浜F・マリノスの右サイドで異彩を放つのは、オランダ領キュラソー代表MFマルティノスだ。今季ルーマニア1部のFCボトシャニから加入したドリブラーは来日当初こそ日本のサッカーに戸惑う様子を見せたが、いまでは齋藤はマルティノスがいてこそ輝ける、と言えるほどチームへの貢献度が高まっている。

 そして齋藤不在の横浜FMは5日、YBCルヴァンカップのガンバ大阪戦に臨む。リーグタイトル獲得が難しくなった横浜FMにとって、絶対に負けられない大会。チームとしての真価が問われる。マルティノスにとっても齋藤なしで活躍し、自身の価値を証明しなくてはならない重要な試合だ。

 先日の甲府戦では齋藤のゴールを得意のドリブルからアシストし、90分間フル出場。まだパフォーマンスに波はあるものの、相手のタックルを受けては痛がり、途中交代が多かった前半戦とはまるで別人だ。一つ前の試合、先月25日の川崎フロンターレ戦の後マルティノスに話を聞くと、自身のプレーについてこう語ってくれた。

「僕はスタイルを変えたんだよ」

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