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Jリーグ 8年前

齋藤学が不在のマリノス。ルヴァン杯準決勝で問われるマルティノスの真価

text by 舩木渉

初めての守備にも奮闘。ドリブルも変化

 ドリブラー大国オランダの世代別代表選出歴を持ち、ヨーロッパでは超絶技巧を駆使したドリブルと精度の高い左足のキックを武器に活躍してきたマルティノスは日本で確実に変化していた。本人がその真意を説明する。

「これまでとは全く違うプレーが求められているし、日本のサッカーに順応しなければならない。まだ途中だけどね。すごく難しいよ。それにチームメイトがどうプレーするのかも考えなければいけないし、特にこのチームは全体がこれまでになくディフェンシブなスタイルで、初めて守備での貢献も求められている。

 自分が前にいればテクニカルなドリブルで決定的な場面を作れるけれど、後ろでボールをカットしてからだと60mもドリブルする。そういうところでフェイントは必要なくて、スピードを出さなければいけないんだ。いまはスピードとテクニックを使い分けるようにしているよ」

 最近のマルティノスはフィジカルコンタクトに弱さを見せて頻繁にピッチに倒れ込んで痛んでいた来日当初からは信じられないほど、守備で体を張る。味方がボールを奪われれば全速力で帰陣し、時にはスライディングタックルでピンチを救う。

 オランダやルーマニアでは守備での貢献を求められず、高い位置でサイドに張ってボールを待ち、パスを受けたら縦に仕掛けてチャンスメイクする、あるいはゴールを狙いにいくスタイルだったが、いまはプレーの幅を広げて多彩な動きをこなせるようになった。

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