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日本代表 8年前

岡崎が説くイラク戦に必須な心構え。“俺が”捨て、チームのために。ベテランFWに焦りなし

text by 元川悦子 photo by Getty Images

若手選手からの刺激「新しい選手が出てくるのは当然」

「個人的には早くそういう選手が出てきてほしいと思っていた。夢生(金崎=鹿島)、武藤(嘉紀=マインツ)、大迫(勇也=ケルン)もいい調子になってきているし、駿(長沢=G大阪)みたいに名前があがっている選手もいる。日本代表で新しい選手がどんどん出てくるのは当然のこと。それがあるから自分も頑張れる。

 自分だけがやらなきゃいけないとなると、日本代表も窮屈になる。誰かがダメだった時に誰かがいるっていう安心感は今のチームに必要だし、選手層は厚くならないと。自分が出たらやることやらなきゃいけないし、出ないならチームを盛り上げなきゃいけない。そういう意識を今は持っていますね」(岡崎)

 浅野のスピード、金崎の日本人離れしたメンタリティ、武藤の屈強なフィジカル、長沢の高さ。自分にない特徴を見て刺激を受けることは、日本代表不動の点取屋として足掛け9年間君臨し続けてきた岡崎が、もう一段階飛躍するために必要なことかもしれない。

 イラク戦は岡崎慎司というFWの近未来を大きく左右する大一番になるだろう。彼がフォア・ザ・チーム精神に徹しながら、ゴールという結果を残せれば、泥臭い点取屋はこの壁を乗り越え、必ず新境地を見出すはずだ。

 岡崎は、中村俊輔の愛ある苦言をいい意味で跳ね除けるような“ニュー岡崎”の姿を見せなければならない。日本の命運が懸かったイラク戦は、まさにうってつけの試合である。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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