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日本代表 8年前

【識者の眼】ハリルJで今こそ“テストすべき11人”。ベテランから若手まで、J組が持つ“面白さ”

text by 河治良幸 photo by Getty Images

難しい宇佐美の状態。2・3人目はJで活躍するアタッカー

斎藤学 家長昭博
齋藤学(左)と家長昭博(右)【写真:Getty Images】

 ただし大迫には、「引き付ける役割を1トップに求めている」とハリルホジッチが語るプレーをこなす資質は十分にあり、チェイシングやセットプレーの守備での貢献度の高さはドイツでも証明済。10月30日の試合ではゴールこそ無かったものの今季初めてフル出場を果たした。

 そうした理由からも招集は既定路線と見たい。右ウイングで代表メンバーに名を連ねていた小林悠が左太腿の負傷で今回の選出が絶望的であることから、登録上はそのまま埋める形になるかもしれないが、「考えることが少ないので、自分の思うようにプレーしようとしか考えていない」というセンターFWでテストする方が有益だ。

 アタッカーに関してはアウクスブルクで全く試合に出られていない宇佐美貴史の取捨というのが1つポイントになるが、前回は怪我で辞退したこともあり、むしろ今回は呼んで状態をチェックするのではないか。

 それでも前回の追加招集だった【齋藤学(横浜F・マリノス)、2人目】はクラブに復帰後のリーグ戦2試合でゴールを決めるなど4得点に絡んでおり、引き続き呼んで、オマーン戦でテストするべきだろう。

 攻撃のオプションとしては【家長昭博(大宮アルディージャ)、3人目】も面白い。本田圭佑と同世代で若くはないが、チームの上昇に相まって選手として充実期にある点は見逃せない。

 一番の持ち味はアタッキングサードに変化を加えられることで、ボランチからの組み立てがシンプルであるほど、前線に家長の様な個の創造性を持つアタッカーの存在は引き立つ。長身ではないが、ボディバランスが強く狭い局面でもパスを引き出せる点はハリルホジッチの基準も満たすものだ。

 ただ、全体的な運動量が多くはなく指揮官はキリンカップのメンバー発表時には「いつも同じ分析になる、ボールを持った時に違いを作れるがボールが無い時に止まってしまう」と語っており、最終予選の予備登録にも入らなかった。

 その基準からも指揮官のベースになるタイプの選手でないことは明らかだが、オプションとして考えれば降着状態を打開できる選手として加えるのは面白い。

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