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日本代表 8年前

【識者の眼】ハリルJで今こそ“テストすべき11人”。ベテランから若手まで、J組が持つ“面白さ”

text by 河治良幸 photo by Getty Images

リオ五輪世代にも大きなチャンス

中谷進之介 室屋成
中谷進之介(左)と室屋成(右)【写真:Getty Images】

 バックラインも底上げをはかりたいが、特にサイドバックは競争の活性化が望まれるポジションだ。右サイドは内田篤人が復帰への途上にある状況だが出場できる状態ではなく、酒井宏樹と酒井高徳が固定的に候補となっているが、左は長友佑都の状態が安定せず、酒井高が回るケースが多い。オーストラリア戦では守備的な戦略もあり、槙野智章が起用されたが、本職の左サイドバックを見出したい。

 クラブのシステムこそ異なるものの、浦和レッズの宇賀神友弥は招集に値する候補として筆者もチェックしていたが、ルヴァン杯の決勝で左足首を痛め、その後のJリーグで欠場が続いている。太田宏介の評価にもよるが、【車屋紳太郎(川崎フロンターレ)、8人目】が抜擢されれば攻撃面のプラスアルファを加えられる期待は高い。

 今年3月の国内合宿に代表候補として参加しているが、守備(川崎の風間八宏監督は攻撃のための守備と語る)が強化されたチームでサイドのボール奪取に成長を見せており、持ち前の推進力でパスサッカーに迫力をプラスしている。

 ただ正確なクロスを上げるだけでなく、ディフェンスの合間に入ってくる選手に“横からのパス”を出せる。オマーン戦が高い位置で押し込む展開も予想されるだけに、新しい力を加えられるタレントだ。

 右サイドでは【室屋成(FC東京)、10人目】がリオ五輪からクラブに復帰した後、2ndステージの第9節から90分間出続けている。代表の基準からすれば、1対1の局面でもう少しタイトに寄せるべきシーンもあるが、対面の相手を自由にさせず、タイミング良く相手陣内の攻撃に絡んでいけるセンスは目を見張るものがある。

 センターバックは前回、オーストラリア戦で左サイドバックを担った槙野も含まれば5人が選ばれており、再び多くの選手を呼ぶとすれば新戦力が入り込む余地もある。【中谷進之介(柏レイソル)、11人目】は1対1に滅法強く、フィード能力の高さも魅力だ。

 リオ五輪の最終メンバーからは外れたが、その後のJリーグで見せるパフォーマンスは目覚ましく、最終節を終えるこのタイミングでチャンスを与えるのは何ら不思議ではない。

(取材・文:河治良幸)

【了】

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