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日本代表 8年前

【識者の眼】ハリルJで今こそ“テストすべき11人”。ベテランから若手まで、J組が持つ“面白さ”

text by 河治良幸 photo by Getty Images

山口が出場回避なら、G大阪・井手口も招集候補に

長谷部誠 山口蛍
ボランチは長谷部誠と山口蛍のセットが現在考えられるファーストチョイス【写真:Getty Images】

 より若手では【中島翔哉(FC東京)、4人目】も候補になるが、クラブのレギュラーに定着して6試合ほどしか経っていないこともあり、新戦力の招集までに綿密な分析をする指揮官の基準からどうなるか。ただベガルタ仙台戦でもフル出場しており、伸びしろを考えればオフに入る前に代表の雰囲気を経験させ、最終予選の後半戦に向けて戦力化していく可能性はある。

 ボランチは長谷部誠と山口蛍のセットが現在考えられるファーストチョイス。だが、セレッソ大阪に在籍する山口はオマーン戦(11日)の翌日にJ2の大一番となる東京ヴェルディ戦(12日、41節)がアウェイで行われるため、クラブはオマーン戦の回避のための交渉をしているとの情報がある。

 国際Aマッチは代表に拘束権があるものの、ハリルホジッチ監督と協会側が理解を示した場合、13日の合流もあり得る。そうなるとサウジアラビア戦に影響が出る可能性もある。

 逆に考えれば、選手をテストするチャンスだ。前回の招集で出番の無かった【永木亮太(鹿島アントラーズ)、5人目】や【大島僚太(川崎フロンターレ)、6人目】も候補になるが、【井手口陽介(ガンバ大阪)、7人目】を抜擢する絶好の機会でもある。高いボール奪取力と機動力、タイミングを見て前に出ていく積極性などハリルホジッチがボランチに要求する能力をハイレベルに備えており、速く正確なパスを出すこともできる。

 オマーン戦はイラク戦やオーストラリア戦よりも高いポジションでボールを奪い、試合の主導権を握っていくことがテーマになるはずで、そのキーマンとして打って付けの選手でもある。これまでもハリルホジッチ監督は井手口の名前をあげており、継続的にチェックしている様子だが、親善試合でテストできる今回は格好のタイミングとも言える。

“デュエル”を1つ基準にするなら現在は右足の指を負傷している細貝萌に加え、ブンデスリーガの2部で高度なパスセンスに加えて局面の強さにも成長を見せる山田大記(カールスルーエ)など、欧州で奮闘している選手たちも興味深いが、国内で2試合を行う今回においてJリーグで存在感を示している若手をテストするのは有効だ。

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