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Jリーグ 7年前

浦和が手にした年間1位という「価値のあるタイトル」。失速への悔しさ。10年ぶりの“真の王者”へ

text by 今関飛駒 photo by Getty Images

優勝シャーレを象ったコレオを掲げたサポーター。次なる目標はCS優勝

浦和
浦和レッズのサポーターが作り上げた優勝シャーレのコレオグラフィー【写真:Getty Images】

 しかし、浦和のリーグ戦がこれで終わったわけではない。次なる目標はCS優勝、つまり10年ぶり2度目となるリーグ制覇だ。

「年間1位を獲れたのは結果といえば結果ですし、そうやって自信をつけていかなきゃいけない。けどまだ何も決まってないので、ここからまたかなり厳しい試合が待っている」。そう話す阿部に、目標を達成したことによる満足の表情は読み取れなかった。

 槙野智章も、年間1位に慢心はない。7連勝を逃してしまったが、横浜FM戦の終盤に失点をしたことが今後のCSに向けて気を引き締め直すきっかけになると感じているようだ。

「(年間1位は)ひとつの通過点だと僕は捉えてるんですけど、ここで最後に手にすることができなければまた何も変わってないと思われてしまう。これ(最後の失点)が良いメッセージだと思っています。この1失点がもう一回立て直さないといけないという、CSに向けての課題ができたと思う」

 試合後には、浦和のサポーターは優勝シャーレを象ったコレオグラフィーを掲げ、年間1位を祝った。しかし、年間1位は本当の意味でのタイトルではない。

「ピッチから客席を見たときに、良い表情をしているサポーターの方もいましたけど、まだ本当の喜ぶ顔ではなかった」と槙野が話していたように、サポーターもまだタイトルに向けた戦いが続くことを本心では理解しているのだろう。

 それでも、選手もサポーターも確信しているはずだ。埼玉スタジアムで本物の優勝シャーレを掲げ、“真の王者”となることを。

(取材・文:今関飛駒)

【了】

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