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Jリーグ 7年前

松本山雅・飯田真輝が抱くサッカー選手の職業観。「勝つことで、周りの人たちを幸せにできる」【The Turning Point】

シリーズ:The Turning Point text by 海江田哲朗 photo by Tetsuro Kaieda, Getty Images

J1の選手から学んだ、レフェリーとの関係づくり

――9月25日、J2第33節の清水エスパルス戦。松本は1‐0で勝利を収めました。試合開始直後、飯田選手はチョン・テセ選手に対し、ガツンといきましたね。最初に一発かましておくのが大事ですか?

「はい。そのあたりはJ1で学んだこと。J1はどのチームにもゲームを決められる選手がいて、好きにやらせると面倒なことになります。その選手の出来次第で、チームのパフォーマンスが大きく変わるので。たとえば、川崎フロンターレなら大久保嘉人選手、中村憲剛選手。ガンバ大阪なら遠藤保仁選手がそう」

――彼らに自由を与えてはいけない。

「あんな巧い人たちに、のびのびプレーされたら大変ですよ。早い段階でがっつりやって、おれは行くぞと見せておく。テセ選手に対するチャージは、イエローカードが出てもおかしくないギリギリのプレーでした。レフェリーと上手に付き合うのは大事です。これもJ1で学んだことのひとつ」

――そんなに違いますか?

「全然違います。J1の選手は、レフェリーとの関係づくりが上手」

――具体的には?

「僕も見習ってやるようにしたのは、主審の方を名前で呼ぶこと。それで話を聞いてくれるようになることもある。ゲーム終盤は、ファールをひとつ取ってもらえるかもらえないかで大違い。時間の使い方も変わってきます」

――レフェリーへの接し方上手の代表格は?

「トゥさん(田中マルクス闘莉王)には敵わない。とにかく、ずっと声をかけ続けるんです。『いまのファールだったろ?』と絶え間なく訴えかけ、トゥさんが倒されたら吹くしかない、ように見えることがあります」

――ジジころがしならぬ、レフェリーころがし。

「代表クラスの選手は、総じてそのあたりを心得てますね。やはり彼らが意見を言うのと、僕らみたいなJ2から上がってきたばかりの選手が言うのでは重みが違う。唯一、ハユさん(田中隼磨)だけ別格ですが」

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