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Jリーグ 7年前

松本山雅・飯田真輝が抱くサッカー選手の職業観。「勝つことで、周りの人たちを幸せにできる」【The Turning Point】

シリーズ:The Turning Point text by 海江田哲朗 photo by Tetsuro Kaieda, Getty Images

もう2度目のJ1昇格に向けて

松本山雅FCの反町康治監督
松本山雅FCの反町康治監督【写真:Getty Images】

――松本生活は今年で7年目。離れるイメージを持つのが難しいのでは?

「それ、よく言われるんですよ。松本が必要だと言ってくれるなら、ずっといたい気持ちはあります」

――よそのクラブから格段に高い評価のオファーがあったら?

「当然、考えます。現在の報酬にある程度の満足感は得ていますが、何倍もの額のオファーだったら、その話に乗るのも勝負でしょう」

――ふたつを天秤に乗せて、さてどちらに傾くのか。

「実際、そうなってみないとわかりませんね。プロとしてしっかり稼ぐのが第一という考えを譲る気はありませんけど、ここでプレーすることには大きなやりがいを感じているので。クラブ在籍の長さは、鐡戸(裕史)さんに次ぐ2番目で、その責任もあります。試合に勝つことで、周りの人たちを幸せにできる。そこをとことん追求し、下を引っ張っていくのも自分の仕事」

――画期的な出来事という点では、反町康治監督と出会ったのはかなり重要だったのでは?

「間違いないです」

――反町監督は一貫して飯田選手を起用し、信頼の大きさが窺い知れます。

「僕がソリさんを信頼している。まずはそれが一番。やることブレないんですよ。方針が定まっていて、自分たちはそれに向かって精一杯やるだけ。2012年、J2に上がった最初のシーズンは、自分たちのスタイルが確立されておらず、僕のプレーもまだまだでした。

 2年目からチームのパフォーマンスが上がって、それにともない自分もいろいろなことができるようになってきた。今後、どういった選手に成長しなければいけないのか。それを意識して取り組めるようになったのは大きかったですね」

――そして、J1の舞台にもう一度挑む。

「チームの成長は感じますが、次は絶対に残留できるとは思ってないです。だからこそ、従来のスタイルを進化させ、縦一本から横パスを使いながらクオリティを上げるサッカーをやっている。

 とはいえ、J1に上がってからのことはほぼ考えてないですね。ソリさんと田坂(和昭ヘッドコーチ)さんが、チームを向上させる材料を集めてきてくれるので、指針に沿って出された課題をこなしていけばレベルが着実に上がる。それでJ1でも勝負できるようになるはずだと」

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