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セリエA 7年前

若きミランか再出発のインテルか。復権を目指す2つの名門。ミラノダービーへ高まる期待感

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

インテルは新監督の初陣をどう戦うのか

ピオリ
インテルのステファノ・ピオリ新監督はミラノダービーが初陣となる【写真:Getty Images】

 とはいえインテルにとっては、監督更迭後にいきなり迎えるダービー。彼らがどう形を整えてくるのか、そしてミランがそれをどう崩すのかが一つの焦点になる。

 これまでの地元紙の情報によれば、ステファノ・ピオリ新監督は前任のデ・ブールから大きくフォーメーションを変えずに挑む模様だ。もちろん蓋を開けてみれば戦術的な部分の違いはいろいろと見えることだろうが、最終ラインを上げてハイプレスを志向するという基本戦術には特に変化はないと見る。ピオリ監督自身がそういう志向の持ち主であり、実際に14/15シーズンのラツィオでは同様のスタイルでラツィオを年間3位に導いた。

 これに対し、ミランがどう対抗するのか。ユベントス戦ではしっかりとした組織守備からの速攻にはめ込み、1-0で競り勝った。展開の源泉となるバネガ(マルセロ・ブロゾビッチが先発するという情報もあるが)やジョアン・マリオをプレスで封じつつ、浅い最終ラインをショートカウンターで素早く突くという形に持っていけるかどうかが勝負どころとなるだろう。

 ただ、良くも悪くも相手に合わせずに攻撃サッカーをしすぎたデ・ブールとは異なり、ピオリはイタリアでも戦術家として定評を博した人物である。攻撃サッカーを志向しつつも、1対1などの細かい局面で戦術を突き詰めて勝負の打開を図る。ミランのサッカーを彼がどういうふうに暴くのか、そしてそのアイディアをどれだけ選手たちに浸透させることができるかがチームの出来を大きく左右するだろう。

 なおミランの本田圭祐、インテルの長友佑都ともに、今回はベンチスタートが濃厚とみられている。本田は主力に割って入るのが難しくなってしまったが、長友の方はチームが未完成だということでポジション奪回の余地がまだまだあるだろう。いずれにせよ試合途中で出番が回ってきた場合には、全力での貢献を望みたい。

(取材・文:神尾光臣)

【了】

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