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日本代表 7年前

清武弘嗣がセビージャで直面した言語の壁。戦術理解進まず出場機会減少、日本代表にも大きな影響

text by 元川悦子 photo by Norio Rokukawa , Getty Images

セビージャで出番激減…日本代表へのプレーに影響も

清武
セビージャでの出場機会減少は日本代表でのプレーにも影響を及ぼすことに【写真:Getty Images】

 リーガ・エスパニョーラ、国王杯などの公式戦出場実績を見ても、ここまで6試合にとどまっており、清武が直面する苦境は想像をはるかに超えていると言っていい。

 それでも、日本代表として戦った10月の2連戦(イラク&オーストラリア)、11月の2連戦(オマーン&サウジアラビア)では試合勘の不足や感覚の衰えは一切感じさせなかった。

 最終予選前半戦の天王山となったサウジアラビア戦では、自ら得たPKで先制点を叩き出したうえ、大迫勇也(ケルン)、原口元気(ヘルタ)らロンドン世代の面々と息の合った連携を披露。際立った存在感を示すと同時に、香川真司(ドルトムント)からトップ下の定位置をつかむところまで一気に上り詰めた。

 しかし、清武自身は今のところセビージャ残留を基本線としつつ、日本代表との掛け持ちを考えている様子だ。

「見ての通り、(セビージャには)いい選手が沢山いますし、日々揉まれているし、いい練習ができているという実感はあります。10月11月も試合に出てない中で代表に呼ばれてそこまで悪くなかったと思うので、このままやり続けてもいいのかなと。今日CL決勝トーナメントが決まった時も今までにない雰囲気の良さを感じたし、この先カップ戦とCLとリーグ戦の3つをどんどん勝ち進んでいけば、こういう雰囲気をもっと沢山味わえる。自分の出場機会もたぶん増える思うし、そこで1つ1つのチャンスをモノにしていけたらいいですね」

 とはいえ、出番がこのまま増えなくてもいいというわけではない。彼はゲーム体力の低下に不安を抱えていると明かす。このままセビージャで出場機会を得ることができなければ、日本代表でのプレーにも大きな影響を及ぼすことになる。

「正直言うと、この前のカップ戦(11月30日の国王杯4回戦・フォルメンテラ戦)を90分やった時、60分過ぎくらいからちょっと疲れちゃった。技術面だったり、試合勘だったりは落ちることはないと思いますけど、試合で走る体力っていうのは試合をしないとつかない。そこが今、一番の悩みかなと。代表は3月に次の試合がありますけど、この4ヶ月間、ホントに何試合かしか出れないってことになると、試合の体力がすごく落ちてくる。そこは考えないといけないですね」と本人も神妙な面持ちで語っていた。

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