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日本代表 7年前

清武弘嗣がセビージャで直面した言語の壁。戦術理解進まず出場機会減少、日本代表にも大きな影響

text by 元川悦子 photo by Norio Rokukawa , Getty Images

国内では移籍報道も…「今はこのチームの一員」

 スペインメディアは1月の移籍市場で同じリーガのデポルティボ・ラ・コルーニャ、あるいは昨季までプレーしていたドイツ復帰をまことしやかに報じている。

 清武自身も移籍報道が過熱していることを認識しながら「今はこのチームの一員ですし、先のことは全然考えてないんで。試合で走れる体力が不安なだけで、練習はすごい充実していますし、レベルの高いチームでプレーできて、ここに来た決断は間違っていなかったと思います」と揺れ動く心を封印し、今季から新たな一歩を踏み出した新天地でのプレーに集中する覚悟をのぞかせた。

 年内は12月11日のセルタ、17日のマラガ、21日の国王杯・フォルメンテラ戦の3試合を残しているが、そこでどれだけ出場機会を増やせるかが、今後の身の振り方に大きく影響してくるだろう。

 本人が指摘していた言葉の問題はすぐには改善されないだろうが、パスを受けたら1人で相手をはがすといったプレーの微調整は短期間でも可能なはず。「今は練習でやりまくっていますけど、ほぼミスっています」と苦笑していたが、これまでとは違ったプレーの幅を広げることができれば、日本代表でできる仕事も変わってくる。

 苦しみを力に変えてこそ、フットボーラーは飛躍的成長を遂げられる。清武にはこの機を最大限生かしてほしいものだ。

(取材・文:元川悦子【リヨン】)

【了】

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