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Jリーグ 7年前

横浜FM、無念ばかりの1年に。カイケはトラブルメーカーと化し中村俊輔ら主力は流出危機【2016年Jリーグ通信簿】

シリーズ:2016年Jリーグ通信簿 text by 編集部 photo by Getty Images , Editorial Staff

疑問残るモンバエルツ監督の手腕。7年ぶりの二桁順位に

カイケ
負傷もありフィットできなかったカイケ【写真:Getty Images】

 しかし、蓋を開けてみればシーズンを通して低調で、最終的には7年ぶりの二桁順位に甘んじた。1stステージは連勝と連敗が同居する不安定な戦いに終始し、浮上のきっかけをつかめないまま夏場を迎える。

 時間が経っても新たな得点源として期待されたカイケはフィットせず、慢性的な負傷を抱えてた中村も長期離脱でピッチに立てない試合が多くなった。それでも2ndステージ序盤は8試合負けなしで順位を上げたが、負けていないだけで勝ちきれない試合ばかりで壁を突き破れないままだった。

 結局中位で足踏みを続けて年間10位という、ここ数年で最低の成績に終わった。中村をはじめ左サイドのビルドアップを支えていた下平匠や、中澤とのコンビが成熟しはじめていたファビオといった主力の相次ぐ長期離脱というイレギュラーがあったにせよ、決して満足できる1年ではなかった。

 モンバエルツ監督は結果がついてこない中でもルーキーの遠藤渓太や富樫敬真らを重用し、若手の成長を促したという数少ないポジティブな要素があったものの、主力選手からは不満が噴出。1年間を通してベースとなる戦術も定まらずその手腕には疑問が残る。

 低迷するチームを救ったのは間違いなく齋藤学の活躍だろう。特に2ndステージは異次元のドリブル突破力で左サイドに君臨し、キャリアハイとなるJ1での二桁得点を達成。8アシストも記録し、チーム総得点の約3分の1に関与した。

 また、その活躍に影響されて逆サイドのマルティノスが生きる場面が増えた。ほぼ1人の力でチームを支えた“ハマのメッシ”が横浜FMの今季のMVPで異論はないはずだ。日本代表復帰も果たした齋藤と、中盤で力強さと勝負強さを発揮した中町公祐の奮闘はピッチ内外でネガティブな話題の多かった1年に射したわずかな光明だった。

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