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磐田移籍の中村が振り返る特別な瞬間。「俺達は俊輔と優勝したい」の横断幕に感謝

text by 編集部 photo by Getty Images

中村俊輔
2013年当時の中村俊輔【写真:Getty Images】

 J1の横浜F・マリノスに所属していた38歳の元日本代表MF中村俊輔は、2017年シーズンよりジュビロ磐田へ完全移籍することが決定した。8日に両クラブから発表が行われている。

 横浜FMはクラブ公式サイトで、中村による別れのコメントを掲載している。移籍を決断した理由について、「スポーツ、サッカーの本質であるべきもの、例えば楽しさ、喜び、信頼、感謝などを持ちプレーすることが、自分は何よりも大切だと思っています。自分の魂であるサッカーと現役を退くその最後の瞬間まで、真摯に、そしてなによりも喜びと楽しさを持って向き合うため、懊悩煩悶の末、マリノスを離れる決断に至りました」と中村は述べた。

 2010年に欧州から復帰した際に温かく迎え入れられたことへの感謝を述べつつ、2013年にJ1優勝を逃したことは「とても残念」と中村は振り返っている。だが、「9月21日の自分個人への身に余るゴール裏の横断幕は、セルティック時代でさえ経験はなく、心の奥底に深く刻まれ、生涯忘れることのないものとなりました」と特別な思い出を挙げた。

 2013年9月21日に行われたJ1第26節の清水エスパルス戦では、本拠地のニッパツ三ツ沢球技場に「俺達は俊輔と優勝したい」という横断幕が掲げられ、チームカラーであるトリコロールのコレオグラフィーで観客席が埋め尽くされた。このシーズンは1試合を残して首位に立っていた横浜FMだが、最終節に敗れたことでサンフレッチェ広島に逆転優勝を許し、2004年以来の年間王者となるチャンスを逃す結果に終わった。

 横浜FMでは2000年にJ1ステージ優勝、2001年にナビスコカップ(現ルヴァンカップ)優勝、2013年に天皇杯優勝のタイトルを獲得した中村だが、リーグ年間王者のタイトルを手にすることはできなかった。悔しい思いを残しながらも、悲願に向けてともに戦ったサポーターとの記憶は脳裏に強く焼き付いているようだ。

【了】

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