【英国人の視点】青森山田・廣末陸が示したGKの価値。ゴールと同等に評価されるべき「孤独な男たち」の戦い

青森山田高校は、1月9日に行われた全国高等学校サッカー選手権で前橋育英高校を5-0で下し、大会初優勝を遂げた。この功績は、GKとして好セーブを見せた廣末陸のパフォーマンスによるところが大きいだろう。現代のサッカーではゴールを奪う選手に注目が集まりがちだが、ゴールを阻むプレーを見せる選手も同等の評価を受けるべきである。(取材・文:ショーン・キャロル)

2017年01月12日(Thu)10時23分配信

text by ショーン・キャロル photo Getty Images
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青森山田、高校選手権で初優勝。GK廣末陸の活躍が光る

廣末陸
青森山田高校の選手権優勝に貢献したGK廣末陸【写真:Getty Images】

 最終スコアだけに目を向ければ、青森山田は高校選手権決勝で前橋育英に難なく勝利を収めたように思えることだろう。だが最終的な5-0という結果で掴んだ初優勝は、青森山田の最後尾に位置する男、廣末陸のパフォーマンスよりもたらされた部分が大きかった。

 U-19日本代表GKである廣末にとって、試合のスタートは悪夢にも似たものだった。埼玉スタジアムでの試合開始からわずか数秒、前橋育英FW人見大地によるチェイスを受け、クリアを試みたボールをブロックされてしまう。だが徐々に調子を上げた廣末は、青森山田が初の選手権優勝を勝ち取る礎となることができた。

 前半16分には守備陣の隙を突かれてピンチを迎えるが、高沢颯との1対1を防いでチームを救う。このセーブに至る時間帯は前橋育英が試合を支配しており、ここで先制していればトロフィーを群馬へ持ち帰ることができていたかもしれない。

 だが廣末のセーブにより拮抗を保ったことで、そのわずか7分後には高橋壱晟の得点で青森山田がリードを奪うことに成功。前半終了前には嵯峨理久が決定的な2点目を冷静に蹴り込んだが、廣末はそれ以前の時間帯にも何度か好セーブを見せており、チームは1-1ではなく2-0でハーフタイムを迎えることができた。

 こういった貢献はしばしば見逃されがちだ。現代サッカーにおいては、ボールがゴールラインを割ることを阻む仕事をする選手より、ラインの先へ送り込む選手たちに注目が集中している。

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