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Jリーグ 7年前

DAZN、J参入は先鋭的事例。欧州ではブンデスなど放映権取得せず。日本で初の国内リーグ放送へ

今季から10年間総額2100億円という金額でJリーグの放映権料を取得した『DAZN』。日本の他にもドイツ、スイス、オーストリアの計4ヶ国で事業を展開しているが、欧州ではいずれも国内リーグの放映権は取得していない。ドイツでもブンデスリーガは試合の放映権はなく、DAZNで視聴できるのはハイライトのみだ。JリーグはDAZNにとって国内リーグの放映権を取得した初めてのリーグとなる。(取材・文:本田千尋【デュッセルドルフ】)

text by 本田千尋 photo by Editorial Staff , Getty Images

DAZN、ドイツでは放映権取得せず。日本は先鋭的事例に

村井
DAZNが今季から放映権を取得したJリーグの村井満チェアマン【写真:編集部】

 DAZN(ダ・ゾーン)にとっても国内リーグを配信することは、先鋭的な事例となりそうだ。

 DAZNが2100億円の放映権料で、Jリーグと2017シーズンから10年間の契約を締結したことは周知のとおりである。英国のPerform Groupが提供するライブストリーミング・サービスは、昨年の8月からドイツ、スイス、オーストリアの3ヶ国でもスタートした。

 現在ドイツにおいて、DAZNではブンデスリーガ1部及び2部のハイライトのみが視聴可能だ。そして昨年6月9日のブンデスリーガの発表によれば、17/18シーズンから20/21シーズンの4年間に渡って、Perform Groupはハイライト(Highlight-Clips)の放映権を取得している。

 DFL(ドイツサッカーリーグ)は、17/18シーズンから20/21シーズンのブンデスリーガ1部及び2部と入れ替え戦、そしてスーパーカップを含む放映権を17のパッケージに分けて提供し、公平で透明性のある無差別な競争入札を行った。

 その結果、ライブ利用の権利については、土曜と日曜開催は『Sky』が取得し、『EURO SPORT』が金曜開催の試合と1部及び2部入れ替え戦、そしてスーパーカップの試合の放映権を取得。『Sky』も『EURO SPORT』も有料衛星放送だ。他には公共放送『ZDF』が2部入れ替え戦とスーパーカップのライブ利用の権利を取得している。なお、Perform Groupが取得したハイライトの放映権は、2次利用のパッケージに分類される。

 放映権の落札金額は、4年間で入札各社総額46億4000万ユーロ(約5570億円)。1年間に換算すると、約10億ユーロ(約1200億円)となる。あくまでブンデスリーガと比較した場合だが、今回DAZNが契約を締結した10年間で2100億円というJリーグの放映権料は、さほど高くはないと言えるだろう。

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