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Jリーグ 7年前

鹿島、新黄金期への第一歩。配分金の増額に合わせた強化プラン。勝ち組のサイクルへ

シーズンの幕開けを告げる18日のフジゼロックス・スーパーカップ2017で、昨シーズンの二冠王者・鹿島アントラーズが浦和レッズを3‐2で下した。国内三大タイトル独占だけでなく、ACLを制してFIFAクラブワールドカップへの再挑戦を目標に掲げる常勝軍団。レッズ戦で存在感を放ったFWペドロ・ジュニオール、MFレオ・シルバらの新戦力は、これから幕を開ける新伝説の序章にすぎない。(取材・文・藤江直人)

text by 藤江直人 photo by Getty Images

新たな可能性が凝縮されたゴール

フジゼロックス・スーパーカップ、浦和レッズ戦に臨んだ鹿島アントラーズのスターティングイレブン
フジゼロックス・スーパーカップ、浦和レッズ戦に臨んだ鹿島アントラーズのスターティングイレブン【写真:Getty Images】

 時間にして14秒。電光石火のカウンターを仕掛ける間に6人の選手がボールに絡み、4本のパスがつながった末に生まれたゴールに、常勝軍団に秘められた新たな可能性が凝縮されていた。

 昨シーズンの二冠王者・鹿島アントラーズと、リーグ戦の年間勝ち点1位・浦和レッズが日産スタジアムで対峙したフジゼロックス・スーパーカップ2017。シーズンの幕開けを告げる恒例の一戦で圧巻のシーンが訪れたのは、アントラーズの1点リードで迎えた前半終了間際だった。

 左サイドからレッズのMF菊池大介が入れたクロスを、背番号を「23」から「5」に変えたDF植田直通がジャンプ一番、弾き返す。このとき、時計の針は42分26秒をさしていた。

 センターサークル内に落ちてきたボールを収めたのは、ヴィッセル神戸から加入したFWペドロ・ジュニオール。DF森脇良太のプレッシャーを背後に受けながら、ボールを後方へ確実に落とす。

 浮き球のパスにあうんの呼吸で反応したのは、アルビレックス新潟から加入したMFレオ・シルバ。ジャンピングボレーを放つ体勢から、大きなスペースが広がっていた左サイドへパスを通す。

 走り込んでいたのはMF土居聖真。危険を察知したMF青木拓矢が必死のスライディングを試みるも、ボールは伸ばされた右足の先をかすめて背番号「8」のもとへ。一気呵成のカウンターが発動される。

 土居がドリブルでペナルティーエリア内まで侵入していく間に、FW金崎夢生が弧を描くように外側を追い抜かしていく。そして、土居から受けたパスに右足を合わせる。

 ゴール右隅を狙ったシュートに、日本代表GK西川周作はまったく反応できない。ボールは右ポストに弾かれたが、フォローしてきたMF遠藤康が利き足とは逆の右足を振り抜いた。

 必死に防ごうとした西川の両腕を弾いたボールが、ゴールネットを揺らしたのが42分40秒。ペナルティーエリア内のフィールドプレーヤーは、守る側のレッズが4人だったのに対して、攻める側のアントラーズが実に5人を数えていた。

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