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ユーベが魅せた華麗なパスワーク。カウンター狙うポルトを翻弄。手堅さだけではない攻撃的スタイル

ユベントスは現地時間22日、チャンピオンズリーグ(CL)ベスト16の1stレグでポルトと対戦し、アウェイで2-0の勝利を収めた。国際舞台では手堅いサッカーで勝ちを狙うユベントスだが、この試合では華麗なパスワークでポルトを翻弄。相手の狙いだったカウンターもことごとくかわした。この日のユベントスは攻撃的にフォーメーションで挑むなど、決して“手堅い”だけではないチームとなっていた。

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

ユーベ、試合を通じてボールを支配。カウンター狙うポルトをかいくぐる

アッレグリ
ユベントスのマッシミリアーノ・アッレグリ監督【写真:Getty Images】

 69%。ユベントスがポルト相手に記録したボールポゼッション率である。前半においては、70%を突破していた。

 むろんこれには、ポルトの左SBアレックス・テレスが、前半のうちにイエローカードを2枚喰らって退場したことが大きく影響している。ただ数的優位に立つまでの27分間で、ユーベは著しく支配率を上げていた。

 ポルトには、あえてユベントスに持たせるボールをという狙いもあったことだろう。ユベントスのマッシミリアーノ・アッレグリ監督は「ポルトは最初の6~7分が過ぎたら自陣に引いた」と語っていた。

 主導権というものは難しいもので、普段カウンターを主体に戦うチームがボールを持たされるとかえってリズムを失い、攻めあぐねた末に縦一本のカウンターで逆にやられるというパターンに陥ることもある。ポルトはそれを狙っていたはずである。

 だがボールを持たされた方のユーべは、ポゼッションで逆に相手を押し切った。カウンターを狙う相手をかいくぐり、プレスの掛けどころを外して攻め立てる。テレスの退場劇も、その延長上に起こったエピソードだ。国際試合では受け身のサッカーで手堅く勝利するユーべが、質の高い攻撃サッカーで主導権をものにして勝った試合だった。

 ユーべのフォーメーションは、最近の試合で続けている4-2-3-1。マリオ・マンジュキッチを左サイドハーフとして起用し、攻撃的な選手をできるだけ多くピッチに送り出すというものである。しかしそこをカウンターで突こうとしたポルトの狙いは、見事に外された。ユーべが実に質の高いパスワークを後方から組み立てたからだ。

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