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Jリーグ 7年前

やっと捕まえた興梠慎三。DFとフォトグラファーが捉えにくい神出鬼没のFW【カメラマンの視点】

18日、富士ゼロックススーパーカップが開催され、鹿島アントラーズが浦和レッズを3-2で下した。ピッチ上ではJリーグ屈指の強豪クラブ同士が熱い戦いを繰り広げていたが、ピッチ脇ではフォトグラファーも自らの戦いに奮闘していた。(写真・文:松岡健三郎)

シリーズ:カメラマンの視点 text by 松岡健三郎 photo by Kenzaburo Matsuoka

興梠抜きの前半。FWとMFが分裂した浦和

「FUJI XEROX SUPER CUP」が例年より少し早く開催された。そのせいか、カメラマンの私にとっては風が身に染みるピッチとなった。試合をする選手にはあまり影響はないであろう寒さではあったが。

 今季は多額な優勝賞金を目当てに各チーム積極的な補強が行われ、鹿島対浦和の対戦で昨年のチャンピオンシップと同じカードとなったが、その対戦のときとは少し顔ぶれが変わった。

 浦和は昨年14得点を決めチームトップスコアラーとなった興梠慎三がベンチスタート。代わりに湘南から新加入の25歳の菊池大介が先発起用された。菊池は湘南でプレーしていたとき良さをそのまま出せていたが、さすがに周りとの連携にはまだ時間が足りず、少し浮いてしまった。

「全体の年齢も考慮に入れながら、比較的若い選手を獲得しました。24歳前後の選手が我々のチームの中で前進することによって、チームとしても成長していくと思います。新しく入ってきた選手はどの選手に対しても時間と我慢が必要です。学びながらそういった選手たちと競争していく、それが我々のチーム作りであり、哲学です」とペトロヴィチ監督が言うようにチームにフィットするのは時間が必要だ。

 試合は、浦和がボールを持ち、鹿島が一撃を狙う予想通りの展開。鹿島が前半その一撃を2度決めて、鹿島がリードして前半を終える。いいときの浦和は前線の選手が自由にポジションチェンジして、相手DFが彼らを捕まえられないのが特徴だ。

 これは阿吽の呼吸で行われるものであるが、前半にはポジションチェンジはもちろん、FWが下りてきて、2列目から飛び出す場面はなかった。FWとMFが分裂してしまい、鹿島のDF網に何度も引っかかり、一撃を狙われた。

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