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香川真司 7年前

香川、出番減少は実力の反映か?「クライフの方法論」から見えたドルトの“主軸”【海外組の真価~日本人選手の現在地】

text by 本田千尋 photo by Getty Images

香川、終盤戦に向けて主軸返り咲きも。担うべき役割は?

 そして今季の香川は、これまでリーグ戦22試合の内、出場は11試合で先発は5試合。6試合は途中出場だ。こういった試合出場の状況には、もちろん足首痛によるコンディションの問題も関係しているが、振り返れば香川は、主軸となる5人か6人の選手に入っているというよりは、最初に選ばれた選手たちを活かす、または足りない部分を補いサポートするメンバーに入っているようである。

 ロイス、デンベレ、プリシッチらのスピードをどのように活かすか、バイグル、ゲレイロら若い選手たちの経験不足をどのように補うかは、他でもない香川自身が口にしていたテーマだ。

 つまり、コンディションが上向いている現状とトゥヘルの起用法を踏まえれば、今季の終盤に掛けて出場機会は定期的に訪れると予想される。もちろん香川に最初の5人、6人に入る力がないとは言い切れない。昨季はブンデスリーガだけでも、34試合中29試合に出場。そのうち先発出場は27試合、そして9ゴール9アシストの戦績を残している。

 トゥヘルの嗜好するスタイルが今季に入ってポゼッションから大幅に様変わりしたわけでもなく、ゲレイロ、ゲッツェといった新しいライバルの加入はあったが、昨季のような力強さを取り戻せば、“主軸”に入っていけるのではないだろうか。

 そしてトゥヘル体制で香川が活きるポジションは、昨季からドルトムントのサッカーが根本的に変わっていないことを考えても、インサイドハーフ、もしくはトップ下ということになるだろう。

 昨季は3月に入ってから5月にシーズンが終わるまで、5ゴール2アシストの結果を残した香川。今季も同様に、尻上がりに調子を上げていきたいところだ。

(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

【了】

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