スペインではSBも。複数のポジションで奮闘中
監督が変わっても守備陣の要として継続的に起用されている鈴木の目から見て、今季のチームは内容が伴いながら勝ちきれない試合が多かったという。些細な何かが足りず結果が出ない。それでも一つ一つ課題に取り組んできたからこそ、厳しい2試合で勝ち抜くことができた。
鈴木のチーム内での役割も変化しつつある。移籍当初はJリーグ時代と違い、4バックの右サイドを任されることが多かった。3バックの場合は右ストッパーで起用され、ある意味“動かされる”ポジションで戦っていた。
しかし、サラゴサ戦は初めて3バックの中央に入って最終ラインを“動かす”役割を任された。鈴木は「(中央を)やるのは初めてだったので、戸惑いながらやっていました」と振り返る。
事実、前半はカウンター狙いの相手に苦しめられた。タラゴナは簡単に引くことを好まないため強気に最終ラインを上げていくが、前線や中盤で相手にプレッシャーがかからず簡単にロングボールを蹴られてしまう。開始5分で簡単に失点してしまい、試合の流れをサラゴサに持っていかれてしまった。
さらに3バックの3人それぞれの距離が離れており、その間のスペースを効果的に使われて最終ラインの裏をとられる場面が何度もあった。鈴木が「本当に2、3点入れられてもおかしくなかった」と語る通り、ゴール前で1対1の局面を作られたり、シュートまで持ち込まれたりするシーンが何度もあった。
それでも鈴木やGKのマノロ・レイナを中心にサラゴサの猛攻を凌ぎきると、後半からはタラゴナの守備に粘り強さが戻ってくる。